荻窪酒場放浪記 ~加賀藤・和の食人馬来~

荻窪に越してきて、新しい生活が始まり1カ月と少し。
気が付いてみれば、行きつけのお店ができ、わずかながら誘ってくれる飲み友達も出来た。
一人で、ふらりと飲みに行ったのが11月の事。
そこから急速に人の輪が広がっていった。
 
そういえば、「このカウンターで一人で飲んでたんだよねー、それで誰々ちゃんが話しかけてさ」
なんて笑い話になるぐらいだし
みんな私と知り合って浅いはずなのに、
それでもまるで1年も前から知り合っていたみたいな口ぶりである。
ありがたい話である。
 
荻窪の飲み友達、と言っているけれど、同年代の友人なんていない。
みんな人生の先輩ばかり。
彼らの職業も生きざま経歴も様々。
だからこそ話をしていて学ばされる部分も凄く多いし
何よりも自分の考え方の浅さに気付かされたり、はっとさせられる部分も多い。
 
とはいえ、楽しく飲んでいるだけなのだけれど。
 
昨夜は、いつものお店、「鳥もと」さんではなくホルモン焼きの「加賀藤」さんにお邪魔した。
カメラを忘れたので写真はなし。
持っていても話に夢中で撮る暇すらなかったかもしれない。
だから美味しそうな料理をお腹いっぱい食べたのに1枚も写真なしという不甲斐ない話なのだが
どうかご容赦を。
 
まずは加賀藤さんののれんをくぐって、常連さんお勧めの煮込みを。
煮込みは土鍋で供されて、いいお出汁とみその濃厚な香り。
絹ごし豆腐が入っているのだけれど、はふはふしながらこのスープと頂くのがベストマッチ。
 
焼き物は、特製のニンニク味噌を付けていただく。
ぼんじりを頂いたけれど、ニンニク味噌だけおかわりしたかったぐらい。
それからわかさぎの唐揚げ、川エビの唐揚げ…えーっとそれから。
 
これらをキンミヤ焼酎の水割りで流す。
 
古いながらも清潔感あふれるこのお店は人気店のようで、
私が訪れた時間帯には既に満席でお断りされるお客様も沢山いらっしゃったご様子。
もう少し食べてみたいメニューが沢山。再訪するだろうな。
 
そしてもう一軒。
遅い時間でも新鮮な魚介類を供してくれる「馬来(まき)」
そこでは芋焼酎「一刻者」を飲みながら、生ガキと焼きはまぐりを。
ぷるぷるの生ガキはすいっとのどに吸い込まれてゆき、
焼きはまぐりのいい出汁は身体にじんわりしみわたる。
それから白子ポン酢。
濃厚な甘みが口中に広がってあーもう幸せこの上ない。
 
そこに楽しい話と楽しい仲間。
これぞ酒飲みの醍醐味である。
 
ところで栃木の有名どころのお土産といえば…
イチゴ、餃子、などなど。
私が住んでいた、「真岡(もおか)」では、千葉には劣るけれど実は落花生が有名。
 
帰省する事を話してあった飲み友達がおもむろに…
「あの…お土産は?」みんな揃って片手を出す。
 
・・・
 
・・・
 
・・・
 
ちゃんと買ってきてあったのだった。
さすがにいつ会えるか分からないので、イチゴは買ってきておらず、落花生を。
酔いながらのネタのつもりで、まさか本当にお土産が出てくるとは思わなかったらしい。
お茶目なおじさまである。
 
良く食べて、良く飲んだ昨夜の楽しいひととき。
こうして楽しく飲める時間、そして懸命にやりたい仕事。
今、私は充実しているんだと思う。
 


加賀藤(かがふじ)
東京都杉並区上荻1-15-13
03-3393-4075
定休日:日曜、祝日
 
和の食人 馬来(わのしょくにん まき)
東京都杉並区上荻1-17-7 第5田丸ビル2F
050-5518-6400
定休日 日曜日