バイブレーションを感じる瞬間って?

今日接客したとあるお客様より…。
(私みたいにリゾートを渡り歩いたりして)リゾートに住むという事で
『バイブレーション』を感じなくなることはないですか?
なんだか難しい事を聞かれた。そのお客様はご家族でいらしたとある有名アーティスト。
要するにゆったりした時間の中で生活をする事で
刺激を失ったりモチベーションを下がったりすることはないか?という意味だったんだろうか。
私は、リゾートのゆったりした時間の中でくるくる動き回る事が好きで
自分の周りに流れる時間とゆったりさと、自分の中での忙しさとそのギャップが好きだ、と。
頭の上にはクエスチョンマークが沢山並んでいたけれど、どうにかこうにか
しどろもどろでお答えを返した。

バイブレーションなんて耳慣れない言葉をかけられたのもあったし
帰り際、その問いについてずっと考えていた。
お答えした事も確かにそうだけど、何よりも私はそのお客様のおっしゃる刺激はお客様から頂いている。
ゆったりした空気の中忙しく過ぎ行く時間もそうだけど、それでも他の仕事じゃ駄目なんだと思う。
私は宿屋が好き。そして毎日いらっしゃるいろいろなお仕事をしているお客様
いろいろな考えのお客様とお会いする事が何より好きなんだと思う。
それがそのゲストの言うバイブレーションを感じる瞬間。

…それをどうしてもそのゲストに伝えなきゃと思った。
せっかくくれた問いに私はちゃんと答えられてない。
チェックアウトの時にご挨拶しようかと思ったけど、相手の時間だってある。
それにゲストは答えを待っている訳でもなんでもない。
だからわざわざそのためにご挨拶するのも変な話。
そもそもその場で機転をきかせて答えを返せない頭の回転が鈍い私もいけないのだが
一度家に帰ったのにいてもたっても居られずにまた思い立って会社に行き、
そしてその方のお帰りの際にお渡し頂けるようにスタッフに申し送りをして
私が思うこと、どうしても伝えたかったことを得意の手紙をしたためた。
夜中に突然会社に来たと思ったら、せっせと便箋を倉庫からごそごそ探し出して
手紙を書き始めた私を見て変なヤツだと夜勤の人は思ってたみたいだけど、それでもいい。
結局帰った来たのはこんな時間。

明日ちゃんとゲストの手にそのお手紙は届くだろうか。
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そして翌日…。
朝出勤したら封をしたままの昨日書いた封筒を手渡された。
なんと!お渡しできなかったそうだ。
理由は申し送り連携のミス。
自分が時間をかけて昨晩書いたそれを受け取った私の心境ったらない。
今日1日うなだれて過ごしたのは言うまでもない。
どうしたらちゃんとお渡しできたのか、何人にも確認したけど結局手順は間違ってなかった。
単にミス。別に支払いや伝票ではないので後々問題になることはない。
だけど私の意は伝わらなかった。家にまで送りつけるようなものでもないので
家に帰って封を開け、なんとなくまた読み返し、そしてそれを丸めて捨てた。
すごく残念。ただただ残念。