炭火焼大会リターンズ

いつの間にか10月も終わろうとしている。
なんだか今月は忙しくてあっという間に過ぎ去ったように思う。
あんまり忙しくて家賃の振込みをすっかり忘れていた程だ。

10月ももう終わろうとしているのに、忘れた頃にまた外での炭火焼ディナーの担当。
多分このイベントも今日で最後になるであろうが例によって例のごとく担当はまた私。
私以外にもオペレーション出来るスタッフがいるはずなのだが、
声をかけてみたら防寒対策用のセーターを忘れたから、とニッコリ。
準備万端は私一人。しまった逃げられた。
着こんでも底冷え。とにかく寒くてたまらない。
寒いのは当然、
ここは標高約1000m、気温は10度を下回り時折風が吹いてガスがかかってくるような気候なのだから。

ゲストに寒さを気遣う声をかけるとちっとも寒くない、というのだけれど
こちとらかなり寒いぞ!
しかも忘れられかけていた頃に予約が入ったせいか
スタッフが待機している場所のガス式のたいまつが部品が欠けていて1つ点かない。
更に手元をテラスランタンも電池切れ。
代用品を探し回ったが見つからずやむなくそのままスタート。
焼台で予め焼いたものをゲストのテーブルの炭にのせるプレゼン方法なのだが
焼台での焼き具合もさらには塩加減も見えない始末。
ドリンクのオーダー伝票なんて手元が暗すぎて見えやしない。
ブルブル震えながら焼台の影にしゃがんで板さんと2人で肩を並べて炭に手をかざす。
まるでその姿は可哀想な子たちである。
だが毎回この寒いオペレーションを共にする板さんも同じ人なので
最近妙な連帯感が出てきてタイミングもプレゼンもばっちり。
最初は鴨や牛をゲストの前で切るのがうまくいかず苦労したはずが
気づけば、てきぱきこなせるようになっていた。
まさかこんな包丁使いの下手な私が
ゲストの前で包丁を握ってプレゼンするなんて思いもよらなかった。

ゲストは真っ赤に紅葉したもみじの木の下で
豆炭コタツ食卓での炭火ディナーを楽しんで頂けたようだが
正直言ってもう懲り懲りである。
あとは真冬にかまくらでディナーなんて企画が出てこないことを祈るばかり。