がんばる私

殺人的に忙しい。さすが年明けである。
今日はほぼ全員が6時間残業。
そして明日以降落ち着くまでしばらく同じシフトである。

あとたった数日で自分の休みがある、と言い聞かせてはいるのだけれど
そんな時は1分1秒すら過ぎるのが長く感じる。
疲れて足が上がらなくなりよろけて階段を踏み外すスタッフ多数。
私は御膳を持ったまま貧血を起こして一瞬記憶を失った。
ガチャンというバランスを崩し食器がぶつかる音で意識を取り戻して
よろけただけで幸い御膳をひっくり返す事はなかったのだけれど。
新年早々過酷である。

そういえば、昨日除夜の鐘に使うドラを設置しようとコンクリートブロックを運んでいたのだけれど
その様子を一部始終遠くから見ていたゲストがおり、
鐘付きが終わる頃、あなたがさっき準備していた方なの?と。
そうです、とにっこり答えると、あんなに重そうなブロックを一人でせっせと運ぶなんて
それだけで勤労手当てを上げてもいいぐらいよ!と。
実はちょっと私が持ち上げるには重すぎたのだけれどそれでも頼める人がいなかったので
まるで重量挙げの選手みたいに両足を開いて、息を整え、『えいやぁ』と変な掛け声をかけ
えっちらおっちら運んでいたのだった。
誰も見ていないと思っていたのだけれど、どこで誰が見ているか分からないものだ。

そんな風に頑張る姿っていいわね、とゲストからほめられた。
それって喜んでいいのかどうなのか・・・。
今日はその方に朝食でもまたお会いしたのだが、
『ああ、昨日のブロックを運んでいた方ね』と。
・・・私はその方にブロックを運ぶ女として記憶に刻まれてしまったらしい。
なんだか複雑な気分。