戦々恐々

私の体調不良騒動から一夜明けて今日は休み。
昨夜比較的はやめに寝たというのに夕方まで一度も目を覚ます事なく文字通り1日中寝ていた。
残業続きで体も心も疲れきっていたんだと思う。
今月の残業数はこのままのペースで行くと100時間に及びそうな勢いだ。
私だけではない。みんな疲れきっている。
だからこそ、歯車が狂って普段は起きないようなありえないいざこざが起きる。

昨日の夜遅く、私をなじった当の本人から謝罪の電話があった。
あれから上司に呼び出されてこってりしぼられたそうだ。
ごめんね、と言うその人の声は努めて明るく振舞っているように聞こえて
逆になんだか痛々しかった。
もしこのまま自分のせいで会社に私が来なくなったらどうしよう、とも考えたんだろうなぁと思う。

会社の皆は袋を口に当てて苦しそうに脂汗をかいて必死に呼吸をする私を見て
おろおろして遠巻きに眺める人、
背中をかわるがわるさすりに来る人、
何となく好奇心交じりで近寄ってくる人、様々だが
皆一様に『どうにかなってしまった』ただならぬ様子の私を見て
恐れと心配とが入り混じった思いだったらしく一時は救急車を呼ぶ騒ぎだった。
ああなんだかまずい事になっちゃったなぁ、と身に起きた異常と戦いながらも
どこかで冷静にその場の空気を背中で感じていたように思う。
皆の心配も、私に八つ当たりした人が上司にこってりしぼられるのも当然といえば当然だ。
フロントでひどい八つ当たりをされた私が急にいなくなったと思ったら
息が出来なくなってもがき苦しんで事務所でぶっ倒れていたのだから。

だけど過呼吸は死ぬものじゃない。
要するに無意識に吸って吐いて空気中から酸素と二酸化炭素の交換をしている
体の機能がおかしくなって、体の中の酸素濃度が異常に高くなって
その結果バランスを崩しておかしくなるというもの。
私自身疲れて歯車が狂っていたんだと思う。
そして八つ当たりしたその人も、
ある意味イライラしてあちこちに当り散らすのは日常といえば日常なのだが
それが疲れて歯車が狂いエスカレートしてしまったんだと思う。

皆朝出勤しても疲れた顔をしているし
仕事をする上での楽しさも何もなくしてしまっていて
ただひたすら時間に追われて仕事をこなしている状態。
何となく皆で失敗のつつきあいをする状況では一向に良くならない。
ミスを憎んで人を憎まず、という会社の方針があるのだが
いつの間にかここではミスをした人を憎む風潮になりつつある。
そのミスのせいで誰かが痛手を被るからだ。
ミスが起きた経緯を追うことで仕組みを改善するはずが
ミスをした犯人探しになり、そしてその矛先はミスではなく人に向く。
(で、冤罪の私みたいな被害者が出るというわけ)

忙しいだけなら喜々と仕事をこなせるのにな。