裁かれる？

インファナルアフェアという香港映画があるのだが、
その最初の頃のシーンにお寺でマフィアが並んで誓いをたてるシーンがある。

この間たまたまそれを見ていて思い立った。
うちからそう遠くない場所に、閻魔様を祀ってあるお寺がある。
実は行った事はなかったのだがそれをなんとなく見てみたくなってふらりとドライブ。

目指すは栃木県益子町のはずれにある西明寺。
結構散歩するのには丁度いいこんもりした森の中に
ひっそり佇んでいるのだが
着いて写真を撮ろうと電源を入れたら
液晶に表示された無情な一文。
・・・『カードがありません』　
メディアを忘れた私。
結局携帯で撮る事にしたのだが、
ちょうど新しいカメラを使いたい時なのにがっかり。

入り口の大きな楠の木に出迎えられて
そして、お寺に進む階段のところどころには
優しい顔をした道祖神やお地蔵様がぽつりぽつり。
いろいろある建物は皆国重要指定文化財、と書いてある。
入り口でカメラを持って再訪のリベンジを誓ったので
（車で20分ぐらいなのでそんな大そうな事でもないのだが）
大した量の写真も撮らずにさっさと帰ってきてしまったが・・・

本堂の見事な装飾と、そして祀られた閻魔様。
本堂の中は見られなかったのだが、
閻魔様のあるお堂は自由に見られる。
手が届きそうな所にこの木像。
薄暗い静かなお堂で閻魔様と対峙するのは
何だかちょっと恐い気もする。
両側に鎮座しているのは善童子と悪童子。
平日の静かな昼下がりに閻魔様に今にも裁かれそうな私。
別に後ろ暗い事なんて何もないけど
今の私はどう裁かれるのだろうか。
この閻魔様、笑い閻魔と言って、怒っているのではなく
笑っているのだそうだ。

閻魔様のお堂の壁にこんな事が書いてあった。
エンマの道しるべは
『行き詰まって詰まったらまた開ける』そうだ。
だいぶ後半は宗教的な感じも気もするけど、
結構深い。
何だか妙に納得してしまった私は
行き詰っているからだろうか。
ま、深いことは考えるまい。

境内の階段を下りた所には鈴なりのゆず。
小ぶりな柚子が5個も6個も袋に入って１つ100円、
なんて籠に入って売られていた。
無人で箱にお金を入れる仕組み。
見た目はゴツゴツだけど香りは確か。
家に帰ってからのお昼ごはんのうどんは、
閻魔様の事を思い出しながらいい香りのする柚子入り。
結局食べ物に行き着いてしまう私。

益子西明寺
〒321-4217　栃木県芳賀郡益子町益子4469