たまには眠れない夜もある

たまには眠れない夜もある。
しまった、もう朝じゃないか。

もともと休職で好きに生活しているせいで夜更かしの傾向ではあるのだけれど、
何やら寝ようかと思った頃からメールで数人と仕事の話を始めてしまい
気付けばやりとりした量2時間ほどで総数50通近く。
9割5分ぐらい雑談だったのだけれど。
なんだかそんなやりとりをするうちにすっかり頭が冴えてしまい、
眠気も吹き飛んでしまった。

さて、どうしてくれようか。

ふと考えていた。
最近血は争えないね、なんて話を実家でよくする。
死んだおじいさんやおばあさん、家系の話、それに付随するエピソード多数。
そしてそれが自分のルーツでもある。
人格が作られるうえで、そのルーツを知ることって大切なんだそうだ。
そういえば、大昔に授業で習ったっけ。

小さい頃、私にとって、ただ意味もなく恐くてそして破天荒だった父。
この歳になっていろいろな話を聞くと、いろいろなしがらみから抜け出したくてもがいていた様子。
そのもがきが破天荒の理由だった訳だ。
そしてしがらみから開放されてから、そのむちゃくちゃだった若かりし自分を悔いてもいるし、
またそれを過去のこととして受け入れようともしている。
大抵父からくるメールは昨晩見た夢の話だったり、とりとめもないものばかり。
酔って紅白歌合戦石川さゆりの歌を大声で一緒に歌い
テレビの前で拍手をしながらさゆりちゃんコールをする無邪気な父を見ていると
そのもがき苦しんでいたただ恐いだけの父はそこにはいない。
それでも過去からは逃げられる訳もなく、消える訳でもないので、
あるときは飲みながら自分の過ちをぽつりぽつりと吐き出してみたり、
あるときは悪夢にうなされたり、やっぱり一生それを背負っていくんだと思う。
きっとそれは誰しもそうだ。
残念ながら過ぎた時間はもう元には戻らないのだから。

人は時とともに変わっていく。
それは、ただ流されて変わるんじゃなくて
時間とともに人が変わらんと願い変わっていくんだと思う。

だけど、過ぎた時間は戻らないけれど、これからの時間は今の自分を積み重ねて作っていくものだ。
だから私は、過ぎた時間は悔いない。
だってその時があったからこそ、今の自分や今の仲間がいるのだから。
こうして眠れない夜を過ごした私のごくごく近い将来は、
明るくなる頃にようやく眠りについて、そして昼過ぎまで寝てしまうに違いない。
前言撤回・・・それはきっと間違いなく悔いるな。