衝撃の新居探し

一生経験出来ない事を経験した。

不動産屋に物件を見せてもらう上で、ルームクリーニングがまだだ、という事や
今改装工事中、という事ってよくある事だったりする。

ルームクリーニングが入っていなければ、
前のオーナーが残していったカーテンが下がったままだったり
壁にシミや汚れが付いている、なんていうのもザラ。
それでも間取りや日当たり、遮音性、などなど最低限の条件は確認が出来るので
別に気にしない。

だが・・・今回の一生経験できないこと。
それは!ルームクリーニングどころの話ではなかった。
ドアの鍵を開けて部屋に入った瞬間、目に入ったスリッパ。
あれ?と思ったがまあいい。
そしてその数秒後、絶句!
目に飛び込む衝撃映像。

・・・ベッドの布団が半分剥いだ状態、
それはもう1時間前に起きました、といわんばかりの状態。
その脇にテレビ、ビデオ。
そしてサイドテーブルには飲み残したお茶のカップ
布団から一歩も動かずにテレビも見られるしお茶も飲める。
その他一切合財の荷物が全てそのままの状態で、住人の息吹が感じられる。
ルームクリーニングとかそれ以前の問題だ。
しかも『ベッドは壁に作りつけのもので、外れないんです・・・これはこのまま利用して頂いて・・・』
のダメ押しの一言。

ちょっと待ったぁーーー!
こんな所住めるかーーーー!!!

いつも何かと助けてもらっている友人に今回も同行してもらっているのだけれど、
彼女の頭の中に浮かんだのは独居男性の孤独死
私は孤独死された方の遺品を引き取って処分する
ベンチャー引越し会社のドキュメンタリー番組のワンシーン。
この部屋の住人はとある朝起きて外出し、帰ってくるつもりだったのに、
きっとなんらかの理由で帰って来られなかったのだろう。
そして荷物を引き取る家族や知人もいないのだろう。
そう容易に想像出来てしまうその部屋の状態。

その物件、バブル期に建てられたリゾートマンションなので
パブリックスペースが広く、広いロビーに住人のみが利用できる温泉大浴場、
マッサージチェアなんてある、ホテルみたいなところ。
いやぁ凄い。
そしてそれに驚くのの数倍ドン引き。
本当は写真を撮って検討・・・なんて考えていたのに、もう写真どころじゃなかった。
人様のオタクの写真を撮るようで・・・。
いやもう、本当にそこに誰かがいるようで・・・。
別に不動産屋さんも誤って入居中の部屋を見せてしまった訳でもない。
ああ頭の中にグルグル巡る妄想につぐ妄想。

その後見た物件、この部屋と全く同じ間取りの別のリゾートマンション。
そちらはいわゆる普通の状態だったけど、
もうその部屋のイメージが頭の中にしっかり焼き付けられてしまい
無理。無理。無理。ごめんなさい。

ぬっこの新居探しはまだ続く・・・。




※補足※
後から不動産屋さんに真相を直撃してみたところ、、、
きちんと退去は立会いの上でなされていたそうで。
ところが、管理人さんが勝手に住み込んでいたとのこと。
つまり、帰ってこられなかった方ではなく、住んでいた部屋を内覧してしまった訳。
だけど、いずれにしてもダメダメには変わりない。
でも・・・あーーよかった。そのベッドを使っていた方が存命中の方で。
いらぬ心配をしてしまった。