ぬきうちっ!ふいうちっ!

某旅行サイトに参画するためには審査があるという。
パンフレットを審査部に送り1ヶ月半。
連絡が来た。
今日、おたくの施設を見せていただきたいので伺いますが。

・・・まじですか。
抜きうちで来るらしい、といううわさは聞いていたものの、本当に当日連絡なのね。

今日はボイラーの工事で業者さんが入っていたりして休館日。
温泉抜いちゃったのに・・・。
正直にメンテナンスで休館だと話し、温泉がいい状態で見せられないかもしれない、と一言。
そして大雪で道が凍結しているから、冬装備の車でなければ来られないことも付け加え。

でも来るって・・・まじですか。
さて。迎え撃つのに、どうするかなー。

足元グショグショ。
午後から雨にかわってせいもあって、午前中よりも更にひどい状態。
浴槽は空っぽ・・・。
あ、あと必死に雪かきのせいで髪の毛ボサボサな私。
うーん。いろいろあり得ない状況。
いらっしゃるまでの時間、あと2時間。

とりあえず、自分の身の回りをなんとかして。
雪かきスタイルから一転して自分の戦闘体勢を整える。
ボイラーが止まっていてお湯が出なかったらそれでもいい。(考えてみたら入る訳じゃないし)
急いで温泉で浴槽を満たさなければ!

そして、足元は・・・外を見てため息。
排水工事の関係で水をざんざん流していて、おかげで道路まで水浸し。
しかもなぜか道路の先から流れてきたオイルみたいな怪しい液体まで水に浮いている。
これはうちのせいじゃないにしろ、
東京から雨の中いらっしゃってお山に降り立つ印象、最悪である。

ぬっこ。考える。
ポクポクポクポク チーン(一休さんか、私は!笑)

そして私のしたことといえば・・・
屋根付きの駐車場に長靴をセット。
車をそのまま駐車場に入れてもらい、そこで履き替えてもらえばいい。
だってパンプスでいらっしゃる担当者の方、絶対に最低の足元だと思うはずだ。
どこのホテルに入るのに靴を濡らしてはいけませんから長靴に履き替えませんか?
なんて言うところがあるだろうか。
でも足元が悪い、靴がぬれてしまう、とイヤな気分をさせるよりずっとマシである。
(実際多分お客様が入っていたらきっと今日はそうしただろう。)

大きめのと小さめのと2つ用意。

そしてここのところウェルカムドリンクとしてホットワインを出していたのだが、
ワインじゃきっと飲まないだろう。
でもお茶じゃつまらないな。
そして特製みかんジュースと、柚子湯と2種類用意。
(そのためにミカンと柚子をワシワシ搾る、私。)
とりあえずどっちでもいいや。これは気分で出そう。

あとはいらっしゃったら。
喋る、喋る、喋る、とにかく喋り倒すぬっこ。

この、うちのホテルを審査にいらっしゃった方は、なんと前職の会社の担当者だった。
さらに前々職の私の上司だった人が今働いているホテルの担当者でもあった。
なぜかひょんな所で必ず繋がる点と線。
前々職の上司ネタでやたらと盛り上がり、
いろいろ知っていらっしゃれば話もはやいと思い、私のホテル人生の話まで。
実際この業界って広いようでいて本当に狭い。
だからフィールドが変わっても必ずどこかで何かが繋がるように出来ている仕組み。

同僚が気を利かせて、いらっしゃった時に柚子湯を、
あれこれひととおりご覧になってお帰りになる前にまた話し込んだのだが、
そのお話ししていた時にみかんジュースを出してくれた。

正直言えば・・・見た目は残念かもしれない。
鳴り物入りのオープンでもない。
だけど、せっかくいらっしゃって頂いた方々を満足させるために、
私たちはベストは尽くす。その時々で最高の時間を過ごしてもらいたい。
その思いはきっと伝わったはず。

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前々職の話をしたら、あぁ、納得!やっぱりね、ですって。
よっぽど私はそこでの接客がしみ込んでいるらしい。那須ismである。
抜き打ちの審査には不意打ちの接客で対抗します♪