正念場

久しぶりに、足の裏や足の指がマメだらけである。
ヒールのコツコツ音を立てずに歩くようにする、普段の歩き方とは違う仕事歩きの癖。
何度もマメが出来ては治り、もう硬いタコと化してしまっている部分。
タコなのに、またマメ。痛くなかったので気がつかなかったのだが
家に帰って見てみたら水ぶくれがいくつも出来ていた。
人の体制がかなり変わった関係で、かなり長時間歩き、立ち。動き回り。

…多分、マメの原因は硬い床の厨房の洗い場で
流しと食器洗浄機の５メートルくらいの通路を反復横飛びのごとくいったり来たりしたせい。
洗い物をしながら、デシャップで料理を進行。
同時進行で飲み物を作り、手が足りなければ料理を出し。

裏方仕事を一手に引き受けた私。
それが夜明け前から昼の休憩を挟んで、業務終了まで。延べ17時間。
2日分が1日で過ぎていった気がする。

何度も書くが、もともと予約やフロント屋さんの私。
目下レストラン、下積みイチから再度修行中。
技術でカバー出来なければ、人の倍動く。
だから１時間早く出勤。(あんなに朝起きられなかったのにな…)

終わったら再チェック。これで合ってる?
抜けてない?
目標時間で仕事を終えた後、自分でグルグル巡回して検証。
抜けてたらやり直し。

気が付かない部分を気付けるようにするにはまだ時間もかかる。

そうだよね。
予約も。
フロントも。
レストランも。
ずっとそうしてきた。

どうしたら技術が身に付くか。
やらなきゃ覚えないのだから。

私は要領は決して良くない。
だから、人の3倍動いてやっと一人前。

ホテルの仕事ってひとつひとつは肉体労働だったり作業だったりする事が多い。
だが、それらの裏方の膨大な単純作業をしてあるから
お客様と話し、楽しませる時間がある。
お客様を前にして、さも当たり前のようにスムーズに動くためには、
事前にいかに行動を予測して先回りし準備しておけるかに尽きる。

…自分でも、随分と追い込んでるなぁと思う。
くったくたになり帰ってきて、ふと思った。
何故ゆえ150枚もの皿を1人で洗い続けているんだろうか、と。
私はなぜこんなに追い込んでまで頑張るんだろう、と。
手はがさがさ、足はマメだらけ。ここまでしていったい何のために、と。
同じホテルだって、もっと楽に仕事出来るところもあるだろうに。

自分の自信につなげるため?
もっともっと技術をあげるため?
そうかもしれない。
でも今。
私が頑張る理由は、自分の技術をあげたその先にある、
イチから作ってきたこのホテルをもっと良くしたい。

私だけじゃない。
ホテルは１人じゃなり立たない。
私を含めたスタッフ皆の底上げを計りたい、と。
そのためには自分の技術や経験不足をまずは自分でカバーする術を身につけなきゃいけない。

そう思うから頑張るんだと思う。
洗い場をやるために私はホテルで働いているんじゃない。
だけど、料理を出せば、必ず誰かが皿は洗う。
裏方も表も。
全体を見据えられてこそ、いいサービスって出来るように思うから。

連休明けもやる事てんこ盛り…だけど…
張りつめすぎた糸はいつかプチンと予期せず切れる。

だから、めりはり。

この怒涛を乗り切ったらしたい事。
行きつけの居酒屋さんのお肉の甘みたっぷりの
美味しいレバ刺しをおつまみに…生ビールを飲む事!!

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毎日更新出来るように頑張りまっす。

居酒屋でWBCを見ながら飲み、テレビにやじを飛ばす31才数ヶ月の私…。