マイナス1の恐怖に明け暮れる

何がマイナス1かって。
ホテルシステムの部屋の在庫数である。

在庫がマイナス1になるということは…つまりオーバーブッキングである。
電話でダブって予約を取ってしまった訳ではないので、
本当の意味で部屋数に対してお客様があふれている訳ではないので
いろいろ操作をする中でマイナスが出る事もある。
でも、そのマイナスの中には…本当のオーバーブックが潜んでいることもある。
だから、マイナス1の数字が表示されていると、何となくすっと血の気が引く。

ホテルの部屋というのは、全部がホテルのものという訳じゃない。
送客していただくエージェントに契約した数だけ部屋を預けてある。
預けた部屋をエージェントに売ってもらう、というわけだ。
そのほかにインターネットから入ってくる予約のために
別に部屋をプールしてあったりもするので実際電話で全部売り切る訳ではない。

だが、うちのホテルは部屋数がそう多くない。
たくさん部屋があり、同じ部屋タイプが沢山あれば、それぞれ予約毎に部屋を割り振ればいいだけだが
同じ部屋タイプがないものもある。
1つの部屋タイプに1部屋、2部屋しか割り当てがないものだって少なくない。
…その1部屋がインターネットからの予約と電話での予約とで取り合いになったら?
そのときは後から予約が成立したお客様があふれてしまう訳だ。
だからシステム上マイナスになっているということは単純に操作過程の話ではなく
本当に予約オーバーになっている事もあるというわけだ。
結局どの予約であれ人の手で入力している。間違いだって起こる。
たまたまそのマイナス1の調整に明け暮れた1日だった。

げ、この日マイナス。あれ?この日もマイナス1。
え…入力しようとしたら部屋が…そんな事がなんと1日で5度。
ふつう1日の間に何度もある事じゃないし、
実際インターネットと電話とで同じ日に同じ部屋で同時に予約が入ってくるなんて滅多にない。
それなのに、1日5度も。
年末年始や連休を控えているからこそ、部屋がありませんでしたなんてあり得ない。
そのマイナスは、単純にこちらの調整だったり操作でどうにかなる事で
ふつうはお客様にご迷惑をおかけすることがないのだが
やはり精神衛生上よくない。

ところが最後の最後で本当にオーバーブッキングに遭遇する羽目になり
お客様に予約成立後に事情をお話して再手配。

恐るべし、年末年始。
結局全部解決して事なきを得たのだが、おかげでどどっと疲れた。
今日はよく眠れそうだ。