まずはそよ風からお願いします

寄せては反す波みたいに、大丈夫だと思ったり悲観的になったり。
三歩進み四歩下がって、ちょっと休んでまた一歩。
実は…
立ち上がりゆっくり一歩踏み出そうしたら、動く歩道みたいに地面が急に動いて転倒し怪我
…例えるならそんな数日だった。

休職の期日をあと3ヶ月延ばす事になった。
決断しないという決断、それを会社に告げたら、
なんと退職勧告まがいの言葉。

私クビって事?
休職願、却下?!
…いや、会社の方針というのがあるからして…
モゴモゴ、云々…

そんな、あまりにリアル過ぎるやりとり。

認められてきたのに簡単に踵をかえされた事への戸惑いと
冷徹さを目の当たりにし
すーっと血の気が引き目の前が真っ暗になった。
まさかみかんの国をこんな形で去る事になるのかとは思いもよらず。

何をどうしたらいいのかさっぱり分からなくなり、
まさにパニック。
闘う気力も体力もないくせに
労働局やら労基署まで相談の電話を始める始末。
っていうかいったい何やってんだ、私。
そんな事してどうするんだ。

…その後数日。
結果的に私の休職願は暫定的に受理されて、
現状何とかリストラを免れた。

会社の中でも私の処遇を巡り混乱している。

奇しくも台風が近づいているが
まるで私の身の回りに、一足先に大型台風が上陸し
猛威を振るい大きな爪痕を残し去っていった気分だ。

この数日で思ったことがある。
悪いのは誰かなんて考えるのはやめよう。
勿論私は悪くないし上司も悪くない。
それを言わなければ、彼も自分の身を守れないから。

自分に能力があるかないかなんて、
もうこの際どうでもいい。

誰かの為じゃなくて、自分自身の為に
今は何よりも休む事。
動き出せるだけの充電をした後、
またボチボチ水かきしたらいいじゃないか。

その騒動が一段落した夜、上司からワン切りの電話の後でメールが来た。
「釣りにでも行こうメールするから」と。
「上司」としてじゃなくて、「人」としてくれたメールだと思った。
きっとものすごく気まずかったんだと思う。
どう声をかけようか悩んで電話をしようと躊躇い、
ぽつりぽつりとなんとか綴った言葉だと思った。

やっぱり誰も悪くない。

さてと。
また立ち上がり一歩踏み出そうか。
イメージ 1
柳に風、と同義だが、中国の古い諺に
「大樹迎風」という言葉がある。
和訳すると「だいじゅかぜにさからう」と読むのだが、
大きな樹が風にさからう事なく悠々と受け入れるという意味だ。
同じ「木と風」つながりの言葉だが
柳に風は穏やかに受け流す様子、
大樹迎風は、悠々と受け入れる様子、
ちょっとだけニュアンスが違う。
どちらでもいいが、とりあえずは風を受け入れられる事が
最終目標かしら…。

でもまずは…そよ風からお願いしたい所だ。