ぬっこの遠足 その1 筑波山梅園で旅と旅行の違いを考える

今日は南へ。
筑波山の梅園がそろそろかと思い、梅まつりに行ってきた。
四分咲き・・・まだ少し早かったようで。
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それでも山の斜面のてっぺんにある日当たりのよい東屋周辺は
ほろりほろりとほころびはじめていて、なかなかいい感じ。
山の斜面が白やピンクに染まるのは水戸の偕楽園の美しさとはまた違って
野趣あふれる、といったところかしら。
やっぱり胸一杯に梅の香りを吸い込み深呼吸…へーっくしょい。
さすがに山の中、花粉まで胸一杯に吸い込む。
えぇいっここでも花粉かっ、とひとりごちつつ、あっちでもへっくしょん、こっちでもはっくしょん。
あらあら、私と同じ思いの人、どうやら多数いる模様。
 
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これは、マンサク。
春の訪れを知らせてくれる花には黄色が意外と多い。
フクジュソウ、菜の花、レンギョウ・・・
このマンサクも元気の出る黄色なのだが
いかんせんこの細長い「こより」みたいなひも状の花弁が
なんとも心もとない感じで
風が吹くとヘロリヘロリと揺れる。
おいおい、大丈夫かい?と思ってしまうぐらいに
頼りない花だ。
まんず咲く(まず咲く)という東北弁が転じて
マンサクになったという、なんとも語源もゆるい感じ。
だけど、ぱっと目を引く黄色は、やっぱりいよいよ春が来るんだな、と思わせてくれる色だ。
 
イメージ 3話は変わるが、ふらりふらりと甘い香りの急斜面の梅園を
歩きながら「旅行」と「旅」の違いについて考えていた。
どちらも、家を出てどこかに出かけるという意味では一緒だ。
だけど、何となくニュアンスが違うように思う。
たとえば私がふらっと出かける事を
旅というかもしれないけれど、旅行とは言わない。
 
辞書では、旅も旅行も同じ意味として書かれていて、
「一時自宅を離れてよその土地へ出かける事」とある。
だけど、やっぱり私の中で旅と旅行は明らかに違う。
 
旅行は帰りの予定まできっちりきまっていて、
たとえばツアー旅行やパック旅行なんていうのが典型で
出発時間から帰る予定時間、宿泊場所、見学する史跡や名所などあらかじめ決まった「行程」を回る。
だけど、旅の場合は違う。
そもそも忙しく日々を生活している中で帰る日程も決めずに動く事は現実的には殆どないにしろ
たとえば出発と帰りの日だけざっくり決めたとしても
行程を決めずに出かけるという事は当日その場に行くまで何が起こるか予測が出来ない。
そんな感じだろうか。
そういえば、英語では長い旅や行程があまり決めていない事旅は「journey」、
きちんと行程が決まった旅を「trip」という。
日本語ではいつしか旅行も旅も同じとみなされるようになった。
それって意外と時間にきちんとしていて計画性を重んじるような国民性なんだろうか。
 
人数が多い場合は行程のない旅は難しい。
だけど、少人数であれば行きあたりばったりの「旅」もまた楽しいものだ。
私は一人で出かける事が多い。
だから「旅行」に出かける事は滅多にないけれど、旅にはよく出かける。
もっとも旅ではなくて私の場合…ほっつき歩く、放浪する、そんな事をよく言われるが。
私の出かけ方としては、ご存じの通り目的を決めて出かけても行程がむちゃくちゃだったりする。
「遠足」と称した旅。
 
イメージ 4あぁそういう事か。
命題「旅行と旅の違い」の答えを勝手に出して終了。
それにしてもいい天気で地平線がくっきり。
随分長いこと、高台から雲ひとつない空を眺めながら
そんな事を考えた。
 
さてはて。これからどうしようかな。
帰るにはまだ早いしお腹も空いた。
あ!そうだ・・・という訳でぬっこの遠足は続く。