完璧なホーホケキョを聞くために

久しぶりに森の中に入ったら、
少しずつ春が訪れていた。
空の色が冬の濃いブルーから
霞がかった淡い水色に変わっている。
季節によっても空の色って違う。

足元を注意して見ないと、
小さな新芽を踏み潰してしまいそうなくらい
そこここに沢山にょきにょき芽が出始めていた。
地面に這いつくばって写真を撮っていたら
ぬかるみに足をとられ、靴がすっぽりはまってしまい
地面に直接膝をついて写真をとったせいでストッキングが泥だらけ。
髪の毛には枯葉が沢山。
夢中になると寒いのも仕事中なのも忘れてしまう。

何故書くんだろう。たまに考える。
日々の出来事をただ綴るのならば、別に公開する必要なんてないのに。
自分のHPであったり、またブログのような日記のようなものであったり
ツールは少しずつ変わってきたけれど、ネット上につらつら書き続けてもう10年近くなる。

今みたいに世の中にブログが普及していなかった頃、
こんなもん書いてるような奴はよっぽどの暇人かオタクか露出狂だな、と言った人がいた。
笑って誤魔化したけど、まさかその人も身近にいる私が
その人の言う、暇人かオタクか露出狂だとは思いもよらなかっただろう。
今やどれだけブログ人口が増えたのだろうか。
多分ブログを書いている人が、その人の言ったように
暇人かオタクか露出狂だったとしたら、世も末ということだ。

誰かのブログを見て、ふふっと笑ったり、そうそう、と深くうなずいてみたりすることもある。
また、ふと思い立ったことを書くことで自分と一度距離を置くこともできる。
書いているうちに答えが生まれる事だってある。
よく何かのセラピーで思った事を全て書き出したりするのがあったかなかったか？
自分で自分の答えを導き出すきっかけになったりもする。

誰かに見せる為に書いている訳でもないけれど、多分自己満足が半分と
自己内省がそのまた半分、残りは。。。えーと。
山の中で写真を撮りながらそんな事を考えていたら、ホーホケキョ。
この間までケキョ、ケキョとしか鳴けなかった半人前のうぐいすが
ようやく鳴けるようになったらしい。

たぶんこの完璧なホーホケキョを聞くために
私はぐだぐだ川面を見つめながらブログについて考えていたに違いない。