退去時のトラブルにならないために

今借りているアパートは会社の寮扱い、
つまり私の名前ではなく会社名義で借りているので敷金の返還や修繕の義務はない。
だからといって、網戸に直径15センチの穴をあけたまま
退去しようとしている私は駄目だと思うが…。
前にファンヒーターの中のオイルを空にしようと外に向けてヒーターを運転した時
網戸を閉めたまま(!)点火し、網戸をまるっと焦がしたのだった。
それはさておき。

今回、新しく物件を決めた時に、
不動産屋が私が席を立とうとした帰り際に、早口でさくっと説明しながら
計算機を叩いて出した金額が妙に気になっている。
それは畳の保守費用
畳1枚あたり●円×枚数×入居年数分の金額を負担して頂きます…とのこと。
傷をつけたりタバコで焦がしたりの分はこれとはまた別に負担して頂きます。
それっておかしくない?
その金額の根拠もよく分からない。
どうもそれが引っかかっていていまだ入居申込書を提出できずにいる。

退去時、借主には「現状復帰」の義務がある。

現状復帰って?
読んで字の如く、元の状態に戻す事。
だけど、住んで年数が経てば、畳だって日焼けするし、壁紙だって色あせする。
タバコを吸う人はクロスがヤニで黄ばむかもしれない。
だが、それらは『普通に』住んでいれば時とともに劣化していくものなので
本来借主が退去時に畳の交換や壁紙の張り替えの金額を負担する必要はない。
普通退去した後に入るルームクリ―ニングの代金だって払う必要はない。
だってそれらは新しく入る人の為のものだから。

契約した最初の状態に戻す、という意味ではないらしい。
そりゃそうだ。住んだ分だけ時間は過ぎてるんだから。

だが例えば、畳をタバコの火で焦がしたり、私みたいに網戸に穴をあけたり
普通に住んでいる範囲を超えて汚した場合はそれを修繕しなくちゃいけない。
そのための敷金。
だけど、本来不動産屋が支払いすべきクロスの張替えや畳の表替えなんかも
敷金で相殺し、更に相殺出来ない分の多額の修繕費やクリーニング代が
請求されることもある。しかもかなりの確率で。
どうしてそんな事が起きるかというと、きっちり法律で線引きしていないから。
敷金返還の訴訟を起こす人だっているぐらいだ。
ただ、それは不動産屋さんだけが一概に悪い訳ではなく
その建物の家主さんと不動産屋さんの約束事もあったりするようだから
なんともいえないみたいだけど。

本来であれば、畳の表替えだって払う必要もないぐらいなのに、
畳の保守費用なんておかしい。
しかもその費用は敷金とは別だ、というのだからなおさらおかしい。

『敷金、トラブル』と検索したらとんでもない数の被害例や
また更に不当に取られた敷金を不動産屋から回収する業者なんてのもいることを知った
その早口の説明に、戸惑い何だか変だぞ、と思いつつも
安易に分かりました、と言ったドンくさい私も私だけど、
幸いまだ契約は交わしてない。まだ間に合う。

納得がいかないものは契約の前にクリアにしておかなくっちゃ。
って先方がうちでの決まりだから、と支払いを求めるのを拒否したら
私は決めてきた家に住めなくなる。
それはそれでまた探しなおしというのも困るな…。
なんだかどれもこれも中途半端で鬱になりそうだ。