サル山の中の私

ようやくチェックインのご案内研修。
他のスタッフに着いて荷物を持って部屋までご案内。
チェックインの手続きを済ませたら、ゲストを車に乗せて
1キロほど離れた客室のある敷地まで説明をしながら
アミューズメントパークのアトラクションのように
森の敷地をゆっくり車で進んでいくのだが、
その途中で見たこともない光景に出くわした。

猿や猪が敷地によく出没するという話は先日書いたが、
見たこともない光景、というのはその猿である。
子連れの猿がなんと総勢30匹以上!いやもっといたかもしれない。
まるで動物園のサル山に車で迷い込んでしまった感じ。
道路のど真ん中で背中にサルを乗せた母ザルが悠々と毛づくろい。
当然退く気配なんてない。ゲストを乗せてクラクションを鳴らす訳にもいかない。
どうやら山からそっくり群れが下りてきてしまったようだ。

ゲストもびっくりだけど私もびっくり。
スタッフが追い払いそれから数十分後には山にお帰りになったようだけど
それにしてもいやぁ驚いた。なんせ客室の屋根の上にも猿がいたのだから。

ここの猿は全く人を恐がらない。
観光客が餌をあげて人に慣れてしまったというのもある。
そして別荘族の一部のマナーを知らない人が
ゴミをルールを守らず時間も場所も構わず捨てたりしたせいで
動物がゴミの味を知り人と動物の境界線が曖昧になってしまった結果である。
だから、悪いのはわたしたち人間の方である。
スーパーの袋を持って歩いているとそこに食料が入っているのを学習していて
その袋だけ奪い去る乱暴者の猿もいるらしい。

この土地の特徴として、これらの動物は捕獲したり追ったりするが
駆除して殺したりはしない。
もともと山にいる動物たち。間違えて下りてきた動物は山へ返す。
そして発信機を付けて熊や猿が今どこにいるのかを把握し
人里に下りてこないよう、下りてきているときは人が警戒するように促す。
動物と人との共生の道を模索しているといったところだろうか。

なんていいながらもとりあえず写真が撮りたくて撮りたくて…。
でも仕事中。カメラなんて持ってないしゲストもいるし。
あーすごく残念。(いろいろ言っても要するにただの野次馬な私)