限界への挑戦

昨晩は季節はずれの大雨と雷に見舞われて大嵐の夜だった。
私にとってはその嵐が1日遅れてやってきたかのような1日。

今日は1日で2日分働いてきた。
何故か夜は夕食の接客で人がいなかったのか7テーブル分料理進行から接客まで全て一人・・・。
とにかく滞りなく食事を進行させなきゃいけない。
鬼の形相で料理を進行させる羽目に。

今日のスタッフ割り振りはどう考えてもあり得ない事。
だけどゲストにとってみたらそんな事関係ない。
疲れてきたり余裕がなくなると、どうしてもどうでもいいことでカチンときたりする。
どこかでプツンと切れそうになるのをじっとこらえながら、極限状態で努めて笑顔で接客する。
お料理を遅らせちゃいけない、あちらのお客様の事も同時に見なきゃ・・・
多分自分のキャパシティーはゆうに超えている。それでもやらなきゃいけない。
こんな状態で出来る訳ないじゃん、と投げ出すのは簡単。
でもここで乗り切れれば何かが見えるかもしれない。
これは何かの競技なんだろうか、と思いながら必死で料理を進行。

唯一の救いはゲストはそれぞれお料理を楽しんで頂けていたようだったこと。

そんな中ですごく柔らかい笑みを浮かべるお客様がいた。
料理の説明をしたときやお話を伺ったりするときに浮かべる笑顔が本当に自然でそしてこちらもほっとするような笑み。
ああこんな笑顔で接客できたらいいのになぁ・・・と思う笑みだった。
ゲストから教えられる事はたくさんある。
周囲の音が全く耳に入らない程めまぐるしく動き回り、どうにかこうにか1日を終えたけれど
多分あの怒涛の中でお客様からもらった仏様のような笑みは一生忘れないだろう。