英語の壁

昨晩から今朝にかけて雪が降った。
そして私は夜勤・・・今年初めてのまとまった雪の日のナイトということで
皆に同情されながら仕事をする。
こんな天気になると部屋から温泉、そしてレストランへと皆送迎依頼で混乱気味。
それにしてもいったい同じ道を何度往復しただろうか。
だが、雪が降るのを誰よりも心待ちにしていた私。
送迎の運転が面倒だろうと、肌を刺すような寒さも、
この景色を前にして全部忘れてしまう超単純な私。

レストランから部屋にお戻りの外国人のお客様。
とある世界的に有名な大会社の社長なのだが雪が降ったということでやはりウキウキしている。
車の中で雪にまつわる歌を大合唱。
日本語しか話せない私にもなにやら笑顔で話しかけていらっしゃる。
・・・多分私と同じ気持ちなんだろうなぁと思いつつも
気の利いた言葉をかけるボキャブラリーは私にはない。
話している内容は何となく分かるのに、それに返す言葉が見つからない。
部屋の前で降りたそのゲスト、今度は部屋の前で大はしゃぎ。
ああ私もその喜びを分かち合いたいのに・・・。
それにしても外国の方ってどうしてこんなにも素直に感情を表現するんだろうか。
多分肩書きなんてこの場では関係ない。
もっとも肩書きにのさばってふんぞりかえっているのなんて
もしかしたら日本人だけなのかもしれない、とその童心に返った大人たちをみてふと思う。

そしてボードゲームを貸して欲しいとフロントにいらしたアジア系の外国人のお客様。
ボードゲームがボールに聞こえてさんざん悩む。
いったんお待ちいただいて、事務所に戻ってみんなで連想ゲーム。
あ!ボードだ、と気づいてボードゲームとトランプをお持ちする。
・・・だがその方トランプはご存知ないらしく、分からないので遊べそうにない、とのこと。
トランプは万国共通ではなかったことにカルチャーショック。

何?夜更けにまだ到着しないゲストが外国人、更に日本語不可・・・。
でも私は英語不可・・・。チェックインの手続きや部屋や敷地の説明を英語だなんて
絶対無理。英語の館内案内を用意して後は単語を並べるしかない、と覚悟を決める。
結局待てど暮らせどやって来ず、ノーショウになった。

そして朝。チェックアウトにやってきたやはり世界的に有名なアクセサリー会社の日本支社長。
かたことの日本語を話してくれるので何とかなりそうだけど、
ゲスト情報には、日本語は片言で単語を考えるのにすごく疲れるので
出来れば英語で対応するように、とかいてある。
そんな私は英語が出来ない・・・よって日本語でお願いします。
結局日本語で通して終了・・・。

なんだか一晩で館内にお泊りの外国人と接する機会多数。
(全部日本語で通したが・・・)
これじゃ駄目な事も分かっているが、私の頭の和英辞書は多分永遠に起動しない。