鬼軍曹な私

今日もチェックイン研修。
お客様のチェックインの合間をぬって、
私がお客様役、新しく入ったスタッフがチェックインの手続きをして部屋までご案内。

最初に駄目だしをしてから、かなりいろいろ自分なりに台詞を考えてきてくれたようで
だいぶご案内らしくなってきた。
・・・が何かが違う。まるで観光地を回るバスガイドさんなのだ。
車で施設を回りながら部屋までご案内していくのだが、
建物の脇でするそれぞれの説明が長すぎる。
台詞を間違えるとわざわざ言い換える・・・そんな様子を見ていて実は最後には飽きてしまった私。

お客様に対して施設のご案内、説明をすることは確かに大切なのだけれど
自然な会話をしながらのご案内とは程遠い。

難しいなぁと思うのだけれど、ご案内に固執し過ぎると相手には聞いてもらえなくなる。
それどころかせっかく分かるように一生懸命説明したにもかかわらず
くどい、分かりにくい、長すぎる、とネガティブなコメントを頂いてしまう。
それを回避して必要な情報をお話していくのは、キーワードを強調して後はさらっと流す事。
でもそれを口で説明するのは難しい。
だって、テープレコーダーみたいに同じ説明では、
ご案内するのが『人』である必要がなくなってしまうから。

例えば当たり前にすべきこと、
部屋でお客様が脱いだコートをお預かりしてクローゼットにかける、
タバコを吸うお客様には戸棚の中の灰皿をテーブルに言われなくても出す、
お客様が座る座布団は踏まない、
・・・だけど人によってはそれが当たり前のことではない。
座布団をずかずか踏んで進んだスタッフに思わず絶句。

例えばホテルの仕事って、お客様がする事を先読みしてお手伝いすること、
要望を口にされる前にそれに気づいてこちらから提案すること、
言われたことをやるのなんて当たり前のことだ。
例えば、荷物の中で大切そうにワインのボトルを持っていらっしゃったら
グラスやオープナーをお持ちするか伺う、
ケーキを持っていらっしゃったら取り皿やカトラリーをお持ちする、
更にはさりげなく何かの記念日かを伺って、
取り皿と一緒にサプライズでシャンパンをお持ちする。

要望があれば+αで返せるのが理想。
応えられない要望には代替案を必ず提示する。
『人』が『人』と接するこの仕事の醍醐味は多分そこにある。
せっかくある脳みそをフル稼働させて接客しなくちゃ。

そんな事を言いながら無茶な要望や今まで自分が接していて困った質問を研修中に連発する私は
多分嫌な奴だと思われているんだろうなぁ。