避難訓練

研修最終日はいろいろ戦略発表やらグループワークなどを経て
最後の一大イベント、避難訓練である。

ホテルでの火災、当然お客様への安全を最低限保障する中での最も危機的状況。
うちのホテルはフロントのある建物、温泉、客室とそれぞれがすべて独立しているので、
避難誘導も一苦労である。
例えば、フロントの建物に避難してもらうにしても
スタッフはゲストが入っている全客室を回って火事を知らせ避難誘導をしてまわらなければいけない。
距離にしたら多分最も遠い部屋までは片道で400メートルぐらいあるんじゃないだろうか?
ダッシュで、大声で叫びながら敷地の中を走り回り、部屋の鍵を開け、
そして中にいるゲストに知らせて誘導する。
一度フロントまで誘導して●号室の方がまだいらっしゃらない、と分かったら
その部屋まで再度ダッシュ・・・。とんでもない運動量である。
ちなみにただの訓練だからといって、儀礼的に行うような、そんな生易しいものではない。
時間がかかりすぎた、スタッフの段取りが悪かった、など不備があればやり直し。
・・・その訓練は4時間も続き、そして6回もやり直しする羽目になった。
声はカラカラ、足はよたよた、あいにく雪がちらつく中で敷地を走り回ってへとへとである。
失敗すれば、怒号が飛ぶ。にやついていたと叱責されるスタッフがいれば死人が出るぞと脅される。
こんなに必死に避難訓練したのなんて多分今までで初めてかもしれない。

火災報知機が鳴り響く音、スタッフが叫ぶ声・・・
その騒然とした雰囲気はまさに本当に火事が起きたような状況で
なんだか今日は嫌な夢にうなされそうである。