戦場のぬっこ

生気が吸い取られてる。
抜け殻みたいになってる。
やつれてる。
休憩のときにそんな事を言われながらも揉まれ揉まれて今日も1日が終わる。

最近後輩にカッコいいですね、と言われる。
カッコつけてる訳でもカッコいいわけでもない。
むしろちっともカッコよくなんかない。
アホな事を言う余裕がないだけだ。
啖呵を切って自分を鼓舞したり、また自分を追い込んで限界の所で仕事しているだけだ。
こんなに必死になったのってどれほどぶりだろう。
せめてカウンターに立っている間は、駄目なりにもやらなければ。
鬼気迫る勢いだろうがなんだろうがどうでもいい。

今の私にとって、本当に職場は『戦場』で、家は『ベースキャンプ』と化している。
だから、家に帰ると本当にほっとするし今日1日が終わった事に対して
誰に対してかわからないけれど、心から感謝するようにしてる。
帰っても、また早朝から出勤なのでつかの間の休息なのだけれど
誰かに迷惑をかけたり叱られたり、
また必死になって動いたりしなくてもいいこの時間は本当に救いの時間だ。

仕事をしている間、この私の旺盛すぎる食欲がなりをひそめて、
まったくなにも食べたいと思わない。お腹も減らない。
全神経を私の普段使わずに海綿化しそうな脳みそに集中させているからなんだと思う。
休憩時間は食事よりも、横になりたい。
とりあえず頭の回路を少しでも休ませないと、ショートして本当に耳から煙でも吹きそうだから。

その分帰ってからはきちんと食べる。
夜更けにホイコーロー。そして昨日夕方買ってきた近所のケーキ。
にんじんをぶらさげて走る馬みたいに私は何かご褒美がないとへこたれてしまうので、
カロリーなんて気にしない。とにかく食べたいものを食べたいだけ食べる。
身体には悪そうだけど、今を乗りきるための苦肉の策。

そんな深夜のしばしの休息。