雲が生まれる場所

それにしても今日は寒い。
昼間でも15度前後しかない。
もう秋まで使わないだろうと風通しして押入れにしまいこんだ羽毛布団を引っ張り出す始末だ。
夏を目前に控えて土砂降りの大粒の雨に空は稲妻が閃光し雷鳴が咆哮する。
この荒れ狂う空が梅雨の終わりを告げるものだといいのだけれど・・・。
こんなに寒い土用の丑の日なんて初めてだ。
ご多分にもれずウナギを食べながら、そのお供には豚汁。
なんだか変な感じだ。

昼間、つかの間雨が止んだときに気がついたことがある。
軽井沢は霧の土地だという。
こんな荒天の日は昼間でも視界が利かないくらいの濃霧はしばしば。
だけど、これは霧じゃない。
この土地で、自分のいる目の前の森で
雲が不気味にモワモワと生き物みたいに湧き出している。
湧き出した雲はじわじわと山肌を伝い、風に流され、そして緑の部分を覆いつくしていく。
いうなれば、ここは雲が生まれる場所だ。
ゲストを見送り細かい細かい霧雨を浴びながら、
自分が雲の中にいた事に気づいたことに何だか一人で大きな発見をしてしまった気分。