東京タワーを見上げる夜

都内のことはほとんど知らない。縁がなかったからだ。
何となく地名は知っているが行った事のない場所ばかりだ。

そう。思えば私は東京タワーすらまともに見たことがない。
まだ子どもだった頃、はとバスツアーでどうやら展望台に上った事があるらしいが
私はちっとも覚えていない。
首都高を走りながらちらりと見えた東京タワー。
汐留からは比較的近いそれをどうしてもどうしても間近に見たかった。
友人に付き合ってもらって、急遽東京観光。

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もう展望エレベーターなんて動いていない時間だったけれど、
ライトアップされてそびえたつ東京タワーの大きいこと、大きいこと。
見上げると首が痛い。
写真が撮りたくて、アスファルトの上に年甲斐もなく寝そべる私。
あーいい景色。
昼間暑かったせいかアスファルトの上は生暖かい。
そして周囲が明るいせいか、セミの鳴き声まで聞こえる。

アブラゼミジージー鳴くその不思議な空間で
東京タワーを真下から寝転んで眺める夜。
昼間はきっともっと賑わうのだろうけど、人もまばらで静かだ。
こうしてシンボルのようにどっしりと立ち続けるこの電波塔は
ただの電波塔ではなく、なにやら威厳すら感じる。


帰り道には皇居の周りを通り、
なぜか湯島天神を真正面に見ながら進み、
せわしく走り回る暴走タクシーに紛れて都内を疾走する私。

・・・ちなみに帰り道は首都高を逆方向に進んでしまい、
無駄に一回りする羽目になった。
渋滞のない深夜のかなりテンポの速い首都高速
ジェットコースターのようで楽しい。
たまには山ではない場所を走るのも新鮮。
いずれにしても私はまもなく15万キロになろうというこの車でどこへでもゆく。