尊敬のまなざし

外国人のお客様が、ホテルに数日滞在するうちに
この土地がいたく気に入り、将来的に住み着くために家を借りたいので
不動産屋を紹介して欲しいという。
全く日本語が話せない方で全く土地勘もない方だ。
不動産屋の場所の説明を聞いてテクテク歩いてお出かけ。
不動産屋に英語が話せるスタッフがいるかどうか分からないので
もし何か途中困った事があったら連絡してください、と言ったスタッフに
携帯電話は自分の国でしか使えない物しか持っていないので、
連絡できないけどきっと大丈夫、とニッコリ。

・・・そして横でその話を聞いていて笑顔でうなずいていただけの私。
(全く喋れないので仕方ない)

見知らぬ土地でこんな場所に住めたらいいなぁと思う事はあっても
こんな風に実際に行動に移せる人ってそう多くない。
もしも自分が海外に旅行に行き、そこがどれだけ気に入っても
言葉が通じないかもしれない不動産屋に一人で乗り込む自信はない。

自分の道は自分で切り開くのよ、といわんばかりの(勝手に思い込みだが)
その方の笑顔に意志の強さと抜群の行動力を感じて
尊敬のまなざしで後姿を見送ってしまった。

で、横にいた流暢なイギリス英語を話す韓国人の子に
ガソリンスタンドの事ってpetrol stationって言うの?!と驚く私。
更に横にいたカナダに長く住んでいたという別の新入社員に、
gas stationでも合ってますよ、と言われて、
あ、ガソリンスタンドじゃ通じないんだねーと
輝かんばかりの見開いた目でそんな事を言っても
誰も尊敬のまなざしは向けてくれない。(当然だ。)