極上のベッドで昼寝

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この時期の山は無数の人たちで踏みしめられた登山道を外れて歩くと、
驚くほどふかふかの落ち葉の絨毯が広がる。
登山靴が足首まで沈むぐらい。

それは、それこそ何十年も何百年もかけてそこに落ち葉が堆積し
その森が水をいっぱいに蓄えて豊かな証拠。
ふかふかの落ち葉を踏みしめると漂う秋独特の甘い香り。
重いリュックを登山道脇に放り出して脱線。
思い切ってその落ち葉に寝転んでみる。
視界に広がったのは、辺り一面にある真っ赤に紅葉したモミジ。
息をのむとはまさにこういう景色の事を言うのだろう。
これから先どうなるのかな。
これでいいのかな私。
交錯して煮詰まった思いなんて忘れて気付いたら眠っていた。

30分程経って、日差しが少し眩しく感じて目が覚めた。
それにしてもなんて優しい寝心地なんだろう。
疲労もあってかまどろみながら大地に抱かれる私。
いやいや、ちょっと待てよ・・・ふと我に返る。
登山道に放置されたリュックがあって、
更にその奥で仰向けに人が倒れていたら他の人から見ればそれはただの死体だ。
頭の中によぎるサスペンス劇場の音楽。・・・昼寝終了。

しかもいいお天気の中仰向けでだいぶ長い間寝ていたせいで
顔が真っ赤に日焼けしたというありがたくないお土産付。
・・・しまった。ひりひり痛い。