爪塗装

先日突然押しかけて泊めてもらった友人だが、ネイリストの卵である。
近々あるコンテストに向けて猛練習中とのことで、
1日練習台として両手を進呈。
一宿一飯の恩義。(いや、一飯じゃなかった・・・四食分ぐらい)
『田舎に泊まろう』ではなく『都会に泊まろう』である。

ところが私、爪のケアなんてしたこともない。
そもそも顔のケアだって出来ていないというのに、
手のケアにまで気が回るはずもなく・・・。
確かに見せてもらった写真やパンフレットの手と私の手は明らかに何かが違う。
しかも、よく見てみると右手と左手の色も違うではないか。
よく窓を開けて車を運転しているせいか
顔も手も右半分だけ焼けてしまっているせいだ。
こんなに色が違うなんて・・・ああこりゃ酷い。
例えていうなら、しなびている。なんてこった。
通常の何倍もの時間をかけて丁寧に丁寧にケアしてもらう。
そうか。
練習台になるには、まずは爪や手自体がキレイじゃなきゃいけないんだ。


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ケア後。
爪の形が整って、甘皮もきれいになった。
甘皮なんて切った事もない私。
爪にしつこくへばりついた頑固な甘皮を
柔らかくして切り取ってもらって
爪の面積5%アップ。





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コンテストは制限時間内に
赤色のネイルをいかにキレイに塗るか。
その他ケア部門や付け爪などなど部門別に分かれている。
しかし爪の生え際までしっかり塗り、
しかもムラのない仕上がりは
まるで車のボディーみたいだ。




マニキュアもスカルプチュチャー呼ばれるつけ爪も、
みんな塗料独特のにおいがする。
部屋中に充満するシンナーの匂い。
塗装工場みたいだ、という話をしたら、
マニキュア自体1923年に車のフォード社の塗装が発祥だという。
なるほど!
1923年といえば、日本では大正12年関東大震災があった年だ。
大正デモクラシーの真っ只中の日本の海の向こうでこんな文化が生まれていたとは。
確かに傷が付いたり、折れそうな爪の補修方法は、
パテ埋めしてヤスリがけをして研磨、塗装する車の傷補修と似ている。
彼女の作業用品にはアクリルの粉や石油系の液体、エアブラシ、
目の異なるヤスリ多数。
ネイリストって塗装職人さんだったんだ。
それにしても車のボディーよりもだいぶ小さな爪に施すのは大変な仕事。
たかが爪、されど爪。
そうか。世の女性はこんな風に気を遣っていたのね。

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練習台終了後、
私の肌色に合ったマニキュアを選んでもらって、
キレイに塗ってもらった。
花まで描いてもらって嬉しい反面、
傷つけてしまうのがもったいなくて
ゴム手袋で米を研ぐ私。
だってこんなにピカピカの
作り物みたいな自分の爪、見たことない。
手を見るたびにニヤニヤ。