楽しむって大事

私の真っ白なスケジュールも、ほんの少しずつ予定が入り始めて、
まだ何も動き出していないというのに、
何となくほんの少しずつ動き出しているような錯覚を起こす。

多分自分の気の持ちようなのだと思うけど。

最近久々に会う人たちは一様に、休みの間何やってるの?と私に開口一番問うのだけれど
実はそれは一番答えに窮する問いだったりする。
呼吸して、食事を取って入浴して睡眠して、その繰り返し・・・。
これを読んでいる方々はご存知だと思うが、本当に何もしていないのだ。
最初は退屈でしかたなかったこの生活だが、実際それを繰り返すと
当たり前の事を当たり前にするって結構大事なんだなって思えてきて
最近は何もしなくても、自分のペースで気ままに動く生活にも慣れつつある。

例えば、食事。
私はおなかを満たすだけの栄養補給は食事ではなくただ『食料』を摂っているのだと思う。
味や食べる時間そのものを楽しむのが食事だと。
つまりひと手間かけて食べたいものをきちんと作り、そして何より楽しみながら食べること。
忙しい時は残念ながらそれが叶わないことが多い。
お風呂に入る事だってそうだ。
仕事をしていた時は、15分もかからないぐらいさっとシャワーを浴びるぐらいだったのが
1時間もかけてゆっくり湯船に浸かるようになった。
お酒を飲むのも、酔うため、寝酒じゃない。
飲むその時間そのものを楽しむために先日書いたがつまみだって作る。
睡眠もまたしかり。

この休職は本来は療養生活のはずなのだけれど、実はとりたてて療養するような事もない。
生活すること、生きる事それ自体を楽しむ、振り返る時間だと思っている。
本来こういう生活って定年退職した頃に初めて取れるものだけれど、
幸か不幸か私は(大して若くはないが)この年でそれを鑑みて大切さをひしひしと感じてる。

忙しい生活をしていたこの何年か、これらの同じ事をしていても
時間に追われるばかりで、楽しむ余裕などほとんど皆無だった。
食べる事を楽しむためには、入浴時間や睡眠を削らねばならなかったし
睡眠をしっかり取るには他の事を削らねばいけなかった。
多分、本格的に始動したら寝る時間を確保するために
時には食事の時間が、食料補給に取って代わるかもしれないし
ゆっくりお風呂に浸かる事も忘れてしまうかもしれない。

でも元の生活に戻っても、これだけは言える。
生きる事そのものを楽しむのを忘れちゃだめだって。
楽しむ、という概念を与えられた生き物は少ない。
だから、私は楽しんで生きる。