ホテルの客室清掃

清掃業者選定の仕事にちょっと首を突っ込んでみた。

ホテルや旅館の部屋のお掃除は、そこのスタッフさんがしていない事も多い。
アウトソーシング、つまり清掃専門業者に全て委託する、という形式だ。
部屋やお風呂などのお掃除、と一口に言っても、自分の家の掃除とは訳が違う。
鏡に指紋ひとつ残さない、極端な話そこに違う方数時間前まで泊まっていた気配まで消し去るぐらい
数ある部屋を決められた時間内で同じクオリティで仕上げなければいけない。
業者に委託することで割高になるということもデメリットとしてあるけれど、
ホテル側がどのようにセットしてどのように仕上げてどこを気をつけて欲しいかを依頼することで
ベッドメイクの仕方を一から研修せずとも、依頼したその日からきっちり仕上げてもらえる。
普通にリビングスペースとベッドがあるようなスタンダードな部屋であれば、20分弱。
高単価の露天風呂付の離れの部屋だと60分~80分。
強烈なキャラクターのオバサマやオジサマ達がほとんどだけど
プロ集団であることには変わりない。
案内をこのように並べて、タオルはここに何枚、たたみ方はこう、
飲み物はこの種類を何本ずつ、シーツはしわひとつなくピンと張って…。
ごみひとつ、塵一つない部屋に仕上げるまでの動きは無駄がなく徹底している。さすがだ。

幾つかある業者に見積もりを取る中で、
どんな風に他施設の清掃を仕上げているのか、クオリティも含めて実際に見せてもらった。
他のホテル、旅館の裏導線から入らせてもらい、それぞれ部屋の清掃の様子を見学。
…私の本当の意図としては他施設でどんなクオリティのアメニティを使い、
どんな風に部屋をセッティングしているかを見たかったのだけど。
ある意味その業者と契約すらしていない部外者な私たちなのに
幾つか部屋の中を見せてもらい、レターセットの紙質、アメニティのブランド、
冷蔵庫の中身、ゲストに貸出している傘などなどあれこれ見ながら目に焼き付ける。
(さすがに写真を撮るわけにもいかないので…)

客単価が10万近い去年の冬オープンしたばかりの宿から
昔からの団体さんがたくさんいらっしゃる大規模温泉旅館まで、
さまざまな施設を見てきてつくづく思った。
業者さんとの関係って大事だなぁ、と。
そこの施設の方同様の地位を築いて、幅を利かせるアウトソーシング会社のスタッフさん。
こうなるとその人が抜けてしまうとそこの清掃の仕組みは回らなくなる。
つまり業者さんとの距離が近過ぎると、業者さんとのパワーバランスは崩れる。

そして施設側からアウトソーシング会社側に対して、
おそらくあれこれ細かい指示を出されてうんざり気味で施設の裏話や悪口まで
ボロボロこぼれ出てくる施設。
こうなるとその施設の悪い噂が流布される可能性もある。(実際聞いたがそっと胸にしまっておこうっと)
適度に距離を保ちつつ、それでいて業者さん側との一線はしっかりと引く。
難しいものだ。
他施設の動向や実は普段見られない部屋の中まで見せてもらい、私としては一石二鳥。
私はアウトソーシング会社の働く姿を見学したまでなので、
施設側は全く関係ない外部の人間が見学に来ていることを知らない。
それにしてもこれって実は施設の守秘義務に反するような。(顧客情報は何も得てないが)


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