ぬっこ 泣く

これから一緒に働く予定であれやこれやと仕事について、
接客やホテルについて熱く語れる後輩がいた。
以前一緒に働いていた事もあってか、私にとっては数少ない一緒に仕事をやりやすい人のひとりだった。
言葉足らずの私の指示をちゃんと汲んでくれて自分で判断して動ける人だった。
たまに無茶苦茶な動きをしたり、足りない部分もあったけれど
納得のいかない部分にはちゃんと食いついて正面からぶつかってくる人だった。

私が働けなくなって、そして社会復帰の折にここに来るのを決めたのも
その後輩とまた一緒に仕事が出来るのが楽しみだったからというのもほんの少しある。
何気に仕事の事やこれからの動きについて相談したり作戦を練ったりと
私なりにその後輩に助けてもらった部分も多々ある。
なんだかんだでかなり密に連絡もとっていたし。

だがその後輩、諸事情からどうしても一緒に働けなくなった。

事情が事情だから仕方ないよね、とお互い努めて明るく電話で話しつつも
最後に、ホントに一緒にやりたかったよね、という言葉の後に
一呼吸置いて、頑張ってください、という一言。
胸がギュギュギュッと締め付けられるように痛むのを感じたし、
そんな改まって言うなよ、と笑い飛ばしながらも
自分の道をちゃんと歩いて頑張りなよ、と私も明るく返して
その後でお疲れぃ!といつものトーンで電話を切った後、
鼻の奥がツンとするなぁと思ったらポロリと涙が出た。
一度涙が出たら涙腺の防波堤は決壊したらしく、
携帯電話を持ったままで床に座り込んでボロボロ、おいおい子どもみたいに泣いた。
それだけ心から残念だったんだ。本当に。本当に。

頑張ってください、と後輩なりにこちらにエールを送りつつ、
自分が一緒に働けなくなった未練を振り切り、自分の道を歩き出そうともしている
相手の妙に明るい声が本当に辛かった。

ああ、今までいつも電話で話していた時は一緒に頑張ろう、だったのにな。
でもこんな風に本当に心から大事に思える仲間がいる私は幸せ者だと思う。
そして一緒に働けなくなる事情があり、別々の道を歩むことになっても
私にとってその後輩はいつまでも大切な仲間であることは変わりない。

ネガティブなのは嫌いだ。
ちゃんと残念だと思う気持ちを自分の中で消化するために泣いたら、すっきりした。
お互い湿っぽい話にしたくなかったから、笑い飛ばしてエールを送ったのだから。
残念だ残念だと嘆いていたら、未練を振り切って自分の道を歩こうとしている後輩に申し訳ない。

そうだ、しゃんとして、忙しい大波に乗っていこう。
しっかりしなきゃ。

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