ぬっこ バッテラになる

会社でバッテラと呼ばれることがある。
ぬっこに引き続きおかしなあだ名だが・・・

バッテラといえば、棒状の押し寿司のことだ。
それがなぜ私のあだ名かと言えば。。。

とある朝日のまぶしい夏の日、会社の皆で一晩中釣りをした帰り道に起きた事件。
嬉々として釣りをしていた私、会社の人の運転する車に揺られたら
どどっと疲れが出て、後部座席にごろんと横になってぐっすり夢の中。

高速道路を降りる時、カードがきちんと挿入されていなかったのか
機械の不具合か詳細は不明だがETCのバーが開かず・・・。
私たちが乗っていた車、ものすごい勢いで急ブレーキ。

そしてそのとき事件は起きた。

後部座席から、押し寿司がころんと転がるように・・・。
横になっていた私、席から前の座席の背面に飛び出しものすごい勢いでぶつかり、
そのまま垂直に足元に落ちた。

がんっ!(ぶつかった音)

どすんっ!(落ちた音)


それを目の当たりにした人たち、結構な衝撃だったというのに
ぴくりとも動かない私を見て、死んだと思ったそうだ。
おそるおそる動かない私を覗き込んだら・・・、すーすー寝息を立てていた私。
そう。そんな事が起きていたとはまるで気づかなかった。

それからしばらくしてふと目が覚めてみたら、なぜか自分の脱いだ靴を枕にして寝ていた。
何が起きたのかさっぱり分からない。
分からないけど、キョロキョロあたりを見回す私を見てみんなゲラゲラ笑っている。
あ、でも意外にこの隙間で寝るのは悪くないかもしれない。
なんか身体がぴったりフィットするこの狭い空間がたまらない。
そのまま席に戻ることなくまた落ちたままの姿勢でコテンと寝た私。

・・・それ以来会社の一部の人たちは、私をバッテラと呼ぶ。