どうしよう、からは何も生まれない

大事な大事な…つりざおが折れた!!
車のドアのところに立てかけておき、扉を閉めた瞬間…パキンと乾いた音。

悲鳴ともつかない、あたりに響き渡る私の叫び声。
一瞬の出来事だった。

さおはもとよりカーボンのつなぎ目までバラバラ。修復は、たぶん不可能。
使い始めてたったの1か月なのに…大事にしてたのに・・・。
私にはもったいないほどのいいものだったのに。
元値は高いのに。(人から買ったので大した投資じゃないけど)
あー何かの呪いだ、呪いに違いない。
昨日はやけ酒でも飲んでやろうかと思うぐらいにやさぐれていたけど、
やさぐれてても、どうしよう、とバラバラの竿を眺めていても、さおはもう元には戻らない。
ひとまず安いさお、買いなおそうっと。
…パキンと折れたが私の心じゃなくてよかった。

さて。最近とんと仕事の話題がないけれど、ホテルはどうしたかって。
ただいま、準備中、である。
入っているわずかなご予約でお客様がいらっしゃっている程度。
だって料理人がいないんだから仕方ない。

新しい料理人さんは洋食だ。
正直戸惑いは否めないし、せっかく出来上がった新品パンフレットもウェブサイトも
みーんな差し替え、作り直し。
ひとまずシェフが正式にいらっしゃってメニューが決まったら急ピッチで私の出番。

こんなドタバタ劇ってどうなの?と思うかもしれないけれど
ここには書かない部分であれこれ問題もあり、
当初心配していた小さなすれ違いがいつの間にか軋轢になり、軋轢が亀裂になり。
不思議なことに状況は悪化したはずなのに、みんなに笑顔が戻った。
彼らが去った翌日、事務所のホワイトボードには、
上を向いて歩こう」と同僚の字でそれだけ書いてあった。

ただ、実際にどうするかという面を考えなければいけないのも事実で、
本当は、内心は楽観視も出来ない複雑で不安な心境だけど。

最近、「どうしよう」からは何も生まれないと思っている。
どうしよう、と思うのなら、どうしたいかと考える。
どうしたいかを考えたら、とにかくまずは1歩を踏み出す。
あとは時間の流れやら時の運やら、その時々で行動は変えていく。
一方向にしか進めないと思ったら、その道が行き止まりになったらもう進めなくなる。
何事もそうだけど道はひとつじゃないし、必ずしも自分の目の前に道がまっすぐある訳じゃない。

新しく板前さんが決まったら、和と洋とどちらもできるレストランになるはず。
そう考えたら悪くないと今は思っている。
ひとまず出来上がったばかりの大量のパンフレット、無駄にしたくない。
だからパンフレットはもう1冊新たに作ることにした。
和も洋も出来る状況が来たら、2冊ともに出していけばいい。

今は私が絡める時期ではないので、のほほんとしていて、
新しい釣り場の開拓はどうしようかなぁなんて、全く仕事とは関係ないことばかり考えている。
でもこれ、嵐の前の静けさ。(そんなことをオープン前にも言ってたような気もしたが)
私の仕事は急を要することが多い。
動き出せば、すべてが同時進行で、すべて最短で仕上げなければいけない仕事。
いわば短期決戦である。

そういえば、過去の総上がり経験時は、洋食から和食に変わったんだったなぁ。
そのときも、ウェブサイトの文言をどう変えて、
ピンチをチャンスにどう変えていくのかを日付が変わるまでみんなで頭を悩ませたっけ。