怒涛の連休

首都圏からのアクセスがいい温泉地である、この天下の剣。
街全体、どこもかしこも大渋滞のこの連休。

昨日は到着予定の方々が待てど暮らせど到着せず、暗くなる頃まで外で待ちぼうけ。
顔見知りになった犬の散歩中の別荘の方々は
こんな日はお山から動かないのが一番だね、なんて笑っていらっしゃったけど、
確かにそうかもしれない。
到着しないんじゃない。皆様出来なかったんだ。
連休の中日である昨日、どこもかしこも大渋滞で、
通りかかったタクシーの運転手さんが『道、混んでて動かないよ』とわざわざ教えてくれたほど。

こんな連休中は私は仕事で朝から晩まで会社に缶詰め。
だから実際のところ、別荘族の方がおっしゃるように『動かない』のではなく、『動けない』
大渋滞で都内から6時間近くかかり更に道に迷われたお客様。
あちこち渋滞だったせいでイライラしているお客様。
お昼も食べずにとにかくお腹が減ったので今すぐにでも食事したい、とおっしゃる方。
昨日は何やら遅い時間にぞくぞくと到着される方々、
あららら、せっかくお休みでゆっくりしにいらしたのに、なんだか大変。
心なしか到着時の雰囲気もみんな殺気だっていらっしゃる。

そんな私も気がつけば昨日は出勤して、帰宅したのは16時間後。
そして今朝も暗いうちから出勤。久しぶりの怒涛。
今日も駅前では大名行列のイベントがあるそうで、あちこち通行規制。
(本当はちょっと見てみたいけど混んでいるからきっと近づけない)
チェックアウトされてお帰りの方々も、また大渋滞で家路に着くのも一苦労に違いない。

せめて温泉でゆっくりしていただけていたらいいなぁ。

外気温が下がってきたせいで、掛け流しのお湯の温度調整もなかなかシビア。
もともと熱い源泉をその時の温度に合わせてちょうどいい温度にして提供している温泉だが
外気温が下がると、その熱い源泉も多少温度が下がる。
だからいつもと同じだけ加水すると当然温度が下がってしまう。
源泉の温度に合わせて加水する湯温も湯量も調整。
うちのホテルには温度を一定にする施設も加水して温度を一定に保つためのタンクもない。
全部が手作業。手計測。

朝から外の源泉が引かれてくる送湯ポンプバルブの湯量調整。
外はもう寒い。
浴槽の湯温チェックのついでに
ちゃっかり足をお湯にひたしてあたためる私。
このぐらいしてもバチはあたるまい。
お昼ごろ、お客様全員を送り出し、
夜明け前に出勤した私は今日は明るいうちに業務終了。

こういう怒涛の連休、渋滞でイライラ、日ごろのお疲れなのか
初めての場所で緊張されているのか、到着の時の表情はみなさま硬いことが多い。
お客様に笑ってもらうこと、まずは第一の目標。
朝食のとき、お帰りのとき、一言二言、言葉を交わしてみると、みんな柔らかい表情。

温泉だったり、お料理だったり、この環境だったり。
到着時の硬い表情からその柔らかい表情に変わった要因は人それぞれだと思う。
でもこの表情を見せてくれた瞬間、
この仕事をしていて、ああよかったな、そんなふうにしみじみと思う瞬間だったりする。

明日明後日はお休み。
私の連休は、世の中から遅れてやってくる。
とりあえず・・・不足した睡眠と、たまった疲労を回復すべく・・・寝よっと。