みんなhappyであって欲しいから

もっぱらビール派だった私。
でも最近では、よくワインを飲むようになった。
コルク抜栓の練習を兼ねて。
実際抜栓の機会はそう多くないものの、
お客様の飲むボトルのコルクが途中でもげてボキッは避けたいので・・・。

合わせるおつまみもチーズだったりドライフルーツだったり。
魚のムニエルだったり鶏や豚肉のソテーだったり。
でもたまに豚バラと大根の煮物・・・合わせるものも結構適当。
ワイン自体知識がある訳でもない。(グラスも適当だし)

さけるチーズぐらいしか食べたことのなかった私。
今チーズに関心を持てるようになったのは、
軽井沢に住み、軽井沢のスーパー、TSURUYAのお陰だと思っているのだけど・・・。
強い風味のウォッシュチーズ、マイルドな白カビのチーズ、青かびのブルーチーズ。
ハードタイプのパルミジャーノやグラナパダーノ、ミモレット
誰かに教わった訳じゃないので、自分が美味しいと思うかどうかだったりする。
(そんな訳であんまり自分の徳にはなっていない。。)
でも知識の助けにはなっている(といいのだが)

チーズの事をふと考えたのはなぜかといえば。
今日は帰り際、突如開催されたタイムトライアル付きのチーズカーニバルだった。

早番だった私。明日は休み。
このまま釣りに行こうかなぁなんて思いながら仕事を終えて事務所に戻ったら・・・。
なんか不穏な空気。ありゃ。トラブル?
話を聞いてみたら、お客様から甘いデザート代わりにチーズのご所望。
チーズ・・・残念ながらもともとメニューにはないので買い置きもない。
軽井沢みたいにTSURUYAが近くにある訳じゃない。
片道40分の山のふもとまで降りなきゃ手に入らない。
用意がない、と断ればそれまでのこと。
確かに用意がないんだから仕方ない。でも要望には答えなきゃ。
お客様のお食事は既に始まっている。デザートまでの猶予は1時間。
残り60分
カウントスタート。

動けるのは私だけ。
必ず1時間で買って戻ってくるから、と言い残して事務所を後にして
じゃじゃ馬姫に飛び乗って、カーニバルスタート。

げっ・・・ガソリンがない。既にランプが点灯していたので山は往復できない。
でもひとまずミッションを完遂することが先。

スーパーまで30分。着いたらチーズ売り場までダーッシュ。
あ、御惣菜コーナーを通り抜けるついでにカゴにいくつかお弁当を放り込む。
夜勤の人の夕ご飯になるかなぁ、と。
チーズ売り場でいくつかチーズをカゴに放り込み、レジにダッシュ
会計を済ませてじゃじゃ馬姫に飛び乗るまで5分。
残り25分。

ガソリンスタンドに行き、『ものすごく急いでいるので10リットル』
そして窓拭きも何も必要ないのでとにかく急いで欲しい、とお兄さんに必死の懇願。
順番を繰り上げてくれて、
ありがとう!!とF1のピットイン並みの勢いでロケットスタート
残り20分。

昨日履いたばかりの新品スタッドレスタイヤ
慣らしていないせいで、まだ走行が安定しない。
もともと柔らかいタイヤのせいもあってふんばりが効かずに
カーブで横滑りの防止ランプが付いたり消えたり。
(変に制御されて戻されるからこれ、嫌い・・・)
じゃじゃ馬さんごめんなさい、急いでるの。
もうちょっと頑張って。
残り7分。

途中電話で確認したコースの進行状況・・・。
メインが出たところ。よしっ間に合う。
あとちょっと。
残り2分。

そして約束した時間ぴったりにホテルに到着。
せっせとチーズを盛り合わせてお皿が出来上がった頃に、
お客様がデザートを召し上がる段階だ、とサービスしている別の人から声がかかった。
よっしゃ!ジャスト!

チーズと枝つき干しブドウの特製デザート。
美味しく食べてくれてたらいいな。

自分がやる、と仕掛けたものがビタッとはまった時、たまらなく嬉しい。
お客様はそんな顛末は知らない。
当然知らせる必要もない。
優雅に泳ぐ水鳥の隠れた足元は必死に漕いでいるものだ。

・・・ちなみに。
内容も見ずにスーパーの店内をダッシュしながら
御惣菜売り場でポイポイ放り込んできたものは
お好み焼きと豚しょうが焼き。焼き鳥。
みんなもhappy、お客様もhappy。
そして頑張った私のご褒美には、提供したチーズの余り。
私の大好物のブルーチーズ。
これ、美味しいよ、とガーリック入りのクリームチーズ
帰りにコンビニで赤ワインを購入して、一人宴。
うふふ、これで私もhappy。

帰り道。空に光るまるで照明弾みたいな大きな大きな流れ星。
ああ、この流れ星をここで見るために、私は頑張ったんじゃないかな。
そんな事を思いながら、私の周りにいる大切な人たちがHappyであるよう祈る、
澄んだ空にすぱっと切れそうな三日月が光るキンッと冷えた夜。


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ビタッとはまる賭け、結果オーライの数々の綱渡り。
いつもこれがうまくいくとは限らない。
だからいつもこんな事をするのがいいとは決して思わないけど、
何ともならないことを何とかする、
不可能を可能にしなきゃいけないことも、たまにはあるんだと思う。