ぬっこ 巻き込む

昨晩は当直勤務は今日はいいよ、と言ってもらったのに
自分の業務や翌日の準備を全て終えて気づいたら2時半過ぎ。
…泊まってもそうでなくても結局一緒だった気がする。
でも営業終了後の温泉にこっそり入れたからいいや。

そんな状態で今日は満室の怒濤。
人員の関係でみんな今同じような勤務。
疲れてるのもしんどいのもみんな一緒。

こういう時ってともすれば、
人の小さな失敗だったりふとした言葉が、いさかいのきっかけにもなりかねない。

こんな時こそ忘れちゃいけない、『みんなでhappyになろう』のうちのホテルの社訓。

みんな大変なのは一緒。
だから弱音は吐かない事にした。
弱音を吐いたら、その言葉に自分自身がのまれてしまいそうな気がしたから。
そして言葉の力は自分も周りをも巻き込む。

どうせみんなを巻き込むのなら、
がんばろう!!という方向性で巻き込みたい。
そう思った。

家ではぐったり。
でも一歩外に出たら絶対にうなだれたりしない。

そして一番疲れてる料理長や同僚にはゼナを。
甘いものが大好きな職人さんや同僚には和菓子やプリンを。

あ、夕食のお皿に飾る笹の葉が足りないって言ってたっけ。

労力はお客様に対しての美味しい料理を作る方に回して欲しい。
そう思って早起きして山に分け入り笹の葉探し。
実はそのおかげでつたウルシの枯れ葉か何か分からないが、手の甲はかぶれるわ、
薮に分け入ったせいで足はすり傷だらけになるわで
小雪舞う朝から散々だったのだが。

状態のいいものを採れる場所をあらかじめ探しておき、昼間収穫。
料理長にプレゼント(ってゲスト用の消耗品だが)

自分の出来る最善を尽くそうと思った。
動けるのなら、私に出来る事なら何でもしようと。

最前線に出るより裏方の方が正直体はしんどい。
もともと体力が有り余っているタイプでもない。
そして本当は私が表に出た方がいい場合も正直ある。
だけどあえて今、表側よりも
皆やりたがらない裏方の準備や片付け、洗い物を一手に引き受けて、
私がサービス側と調理側との橋渡しをし、
全体のバランスを取る方が先だと思った。

裏方が片付いていないと、最前線はきちんと動けなくなる。
調理場側も洗い物までやる余裕も人手もないし、
もともと無理な勤務を強いている事で、
矛先がサービス側に向けられて関係が崩れてしまう場合だってある。

準備に不備があれば実際のオペレーションにも支障が出る。

仕事なんだからみんなつべこべ言わずにやれ、と一喝するのもひとつの方法だけど
それでいままで数多くの人がやめていった現実もある。
当たり前だが私にはその方法は向かない。

だから私の方法でみんなをまとめる努力をする事にした。
料理人さんも表を任せるの同僚たちも気持ちよく働けるように。

サービスの方向は、多分間違ってない。
だからみんながいい状態で働けるように私がバランスを取る事。

それはきっとお客様に対してや、今後のホテル全体を考えても決して悪い結果にはならない。

洗い物をする業務用の洗剤とお湯で
手はカサカサを通り越してボロボロだし
体も悲鳴をあげてる。

でも今立ち止まったら…
せっかく団結しつつある皆の和が壊れてしまいそうな気がするから。
それは和気あいあいとやるための和じゃない。

それぞれが、それぞれの力を最大限に発揮してもらうための和。

夕食の最も忙しいピーク時、表も裏方も一緒に見ようと行ったり来たり。
料理の進行も一緒に見ながら、料理長に声かけ。
もう必死。
私だけ必死だけど、みんなギスギスしてない。

あーもうしんどいわ…とボソッと言った料理長に一言。
私も頑張りますから一緒に頑張りましょ、とにっこり。

まったく…お前には負けたわと苦笑い。
ふふふ、料理長私に巻き込まれたり!!

私は頑張れる。
きっとうまくいく。
そう言い聞かせて、数時間後の新しい日もまたがんばる。


そういえば…某インターネット予約サイトでの口コミ評価、5段階評価で4.7!!

驚異的な数字だけど、
仕組みの枠を取り払い各々がお客様に対していいと思った事をしてきただけ。

みんなの頑張りは確実にお客様に届いてる。

大丈夫。きっとうまくいく!!