綱引きされてる私

一応春にフロントから異動になり、今の所属は予約課である。
だけど、予約課がすべき日々の業務はしていない。

春に私が異動になるとき、
予約のマネージャーとフロントのマネージャーでの水面下での駆け引きがあった。
人が足りないフロントから人を出したくない、人が足りない予約では人が欲しい。
私の両手はそれぞれフロントと予約のマネージャーに握られて、綱引きのように引っ張られた状態。
その私を巡っての綱引きは予約マネージャーに軍配が上がったらしい。
結局、私は予約に異動になった。

ところが予約に異動になり、電話には出るけれど、実際の予約の業務はほとんどしていない。
私は1人で顧客管理業務で手一杯だからだ。
顧客管理業務を私にやらせるというのを理由に予約異動が決まったらしい。
もともと予約とは別に課があるべきものなのに、そんな課はない。
だから当然やるべき仕事も決まっていない。
私ひとりで2ヶ月かけてなんとか日々の業務らしきものを確立させる頃、
今度は支配人がすべきゲストへの礼状やらその他もろもろの仕事がどんどん舞い込み始めた。
なんだか変だ。様子がおかしい。

今度は私の右手と左手ははそれぞれ支配人と予約マネージャーに握られて綱引き…。
そんな引っ張られたら痛い。体、ちぎれる。
私は1人しかいない。1人で出来る事には限界がある。
夏のトップシーズンを前に予約に取り込みたい予約マネージャーは
日々の業務に組み込もうと必死だし、私は私の仕事で手一杯。
さらに自分の秘書にしたい支配人は自分の仕事をどんどん投げてくる。
いったいどうしたいんだ、みんな。

私は与えられた仕事はこなしたいし、基本的に必要としてくれれば何でもやる。
やりたくないとか出来ないとか、断りたくはない。
支配人の秘書になれと言われれば秘書だってやるし
予約の人間になれといわれれば予約になる。
だけど1日は24時間しかないし、私は1人しかいない。
これではどれだけ残業しても時間が足りない。

どうしたらいいかといえば、そんな事考える前に同時進行で全部やるしかない。
とりあえず体がちぎれない程度に。