知恵熱

分かりやすいな、と思うのだが。
あれこれ考えて頭がパンク。熱が出た。
風邪だと会社には申し出たけど、風邪なんかじゃない。明らかにオーバーフローだ。
過労とかそういうことじゃない。
単純に今の状況に対して精神的に付いてきてないんだと思う。
 
見積書の金額を間違えてディスカウントする羽目になり。
部屋の割り振りを間違えて現場が大迷惑。
私がしたミス自体は凄く単純な理由だけど、結果は最悪だし迷惑をかける影響幅は大きい。
扱っているひとつひとつが高額だし、している仕事自体がそれだけ責任あるということなんだけど。
またお前か、と言われていた方が気は楽なのだが、
なぜお前がそんなミスを?と言われるのは正直つらい。
だけどやっちまったもんは仕方ない。やっちまったもんは。
 
今日から後輩は旅行で三連休。
そういう訳で私が休んだら即シフトはガタガタになる。
だが結果的に今日は休んだ…最悪である。
とはいえ、それを責めても仕方ない。だってもう今日1日は終わり。
多大に迷惑がかかってもそれはそれで時間は過ぎていくし、会社は回っていく。
いや、回さなきゃいけないのが仕事というものだ。
結局私の分まで背負わせてしまったのは、上司だ。
 
上司だって人だ。
自分の休みまで削って働いている。余裕ないんだ。解ってる。
どれだけ迷惑をかけているかも痛いほど分かる。
 
本当に不思議な話なのだがいつも体調を崩した時、夢に死んだ祖父が出てくる。
祖父は寡黙な人だった。いつも「バター飴」をなめて、ゴールデンバットを吸っていた。
だから、小さい頃祖父には遊んでもらった記憶というよりは、静かにこたつに座っているイメージが強い。
でも亡くなってから、二十数年。
何故だかもう何度となく私の夢枕に立ち、にこにこ笑っている。
そんな寡黙なじいちゃんが、「じいちゃんがなんとかしてやるから、大丈夫だから。」
私を見据えてそんな事を言っていた。
いやいや、もう二十年も前に死んだじいちゃんに何とかさせるなんて。
それこそ、なんとかするから、大丈夫だからと言わなきゃいけないのは私の方である。
死んでからもずっとずっと心配かけているに違いない。
ごめんよ、おじいちゃん。私は大丈夫だ。
 
そんなこんなで、伏せってる場合じゃない。
一歩一歩。何があっても少しずつでも前に進みたい。
こんなやつ要らないって切り捨てずに、助けてくれる上司がいる。
忘れた頃にふっと夢枕に立つじいちゃんがいる。
完全に周囲の期待になんて応えられないし、間違いだってある。
全力前進は出来ないけれど、少しずつでも前進。