ぬっこ、奇跡の夕暮れ時を過ごす

世の中、この時間が定時か、としみじみ考える、夕暮れ時。
多分こちらに来て初めてじゃなかろうか。
明るいうちに帰宅。
休日出勤でもなければ、勿論早退でもない。
家路を急いで帰宅の途につく車の流れに乗りつつ、ウキウキしてたまらない。
だってだって…
いつもはここからあと一仕事。
さーて気合い入れて一頑張りするぞ、と
固まった身体を「一人ラジオ体操(ちなみに音楽は自分で口ずさむ)」でほぐす時間だ。
仕事は落ち着いている。
メールも電話の波もない。
そして今日の定時は17時!!
内心ヤッター!と大声でいいたい所だが、なぜだか後ろめたい気分。
18時を過ぎて周りへの帰る宣言も物凄い小声。
イソイソと片付けて、なぜだか抜き足差し足忍び足。
隠れてサボる訳でもないのに、
言い出しにくくて気まずそうな顔でそーっと帰ります!と。

そして事務所を後にしてからは帰り道で狂喜乱舞の私。
えーと…
何しようかな…
どこ行こうかな…
ひとしきり喜んでから我に返ったら
どどどっと物凄く疲れている事に気が付いた。

そういえば今朝は8時半から会議だった。
昨夜はそこで話を持ち出し報告するのに
遅くまであれこれ資料作成に追われたんだったっけ。
釣りに繰り出すにも外はあいにくの天気雨。
海岸線から見える海も荒れて白波が立っている。

…というわけで5日間頑張ったご褒美に久しぶりにビールを行きつけの居酒屋にて。

普段仕事がある日はアルコールは飲まない。
仕事上がりのオフの時間を楽しむ余裕はない。
ほぼ強制終了。

だからこそ、この時間はすごく貴重だし大袈裟かもしれないが奇跡に近い。

カウンターで喜びをかみしめつつ、
外はゆっくり日が暮れていく。
こんなにゆったり過ごす時間は久しぶりだ。

明日は実は休み。
早起きして釣りだな。
明日の潮はどうだろうなぁ。