「の」の字を描く儀式

私はコーヒーが好きだ。
 
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そのコーヒー好きの私の楽しみがこれだ。
この町のスーパーの片隅に置かれた「ほったて小屋」、
実はコーヒー豆の自動販売機。
町内のはずれにある自家焙煎のコーヒー屋さんが
設置しているのだが、これが私のひそやかな愉しみである。
 
 
 
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豆は数十種類あり、この窓付きのコインロッカーみたいな
それぞれの箱に入っている。
豆の単価は種類によりそれぞれだが、
金額は300円、または600円で一律。
その金額分の挽きたての豆が入っている。
(しかもなんと100円玉しか入らない!小銭必須である。)
自家焙煎なので、焙煎の具合を細かく指定する事も可能で、
その際は先に電話しておくとここに入れておいてくれるそうだ。
ハンドドリップの方法、予約の際の連絡先、豆の単価などなど、小屋の壁にはマジック書きの紙がぺたぺた。
こういう能書きみっちりのって嫌いじゃない。
だってこれ、間違いなく、店主の伝えたい事や熱意満載だもの。
多分伝えたい事の半分も書けていなくて、実際お逢いしてみるとコーヒー愛を切々と語るタイプに違いない。
 
その日挽いた豆が入っているので、何が用意されているか当日まで分からない。
大体300円で1週間飲み切るペースで、今飲んでいるもので3週間目。
勿論、淹れるのはコーヒーメーカーではない。ハンドドリップである。
 
以前同じ事を書いたが、これが「ハンドドリップ」の掟。
 
イメージ 3コーヒー豆はドリッパーに入れてから平らに、
表面はトントンと固めてやる。
お湯はコーヒーの真ん中めがけて注ぎ、
ひらがなの『の』の字を書くように
ぐるっとお湯を一巡り、二巡り・・・。
ペーパーの周りに粉が張り付くけど、
この周囲の粉にはコーヒーの雑味が含まれるので
わざと周りの粉を取ろうとしないで、
ひたすらお湯は『の』の字を描く。
 
 
コーヒーの粉が盛り上がり、沈み込む頃、 お湯をまた注ぎ、『の』の字。
この繰り返しで適正量のお湯を入れたらカップに注いで出来上がり。
 
朝、起きてこの儀式めいた事ををして1日が始まる。
ひたすら、心に「の」「の」「の」と念じながらコーヒーを淹れる私。
二投目のお湯をドリッパーに挿す頃には部屋中コーヒーの香ばしい甘いいい香り。
軽井沢の丸山珈琲(http://www.maruyamacoffee.com/aboutus/
いいカフェは各地に沢山ある。(そういえば箱根では豆にうんとこだわっているカフェ探せなかったな・・・)
「おうちカフェ」もなかなかいいものだ。
 
多分実家に帰っても、同じ事をしていそうな気がする。
私の「ここだけは譲れない」もののひとつだから。
 
癒しの空間 『珈琲屋』 ( http://www.coffee-ya.jp/ )
〒259-0314
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上769-56