ぬっこ 機織りをする
母の作業場から、卓上手織り機を発見。
何十年も前の初期型製品だが、
未使用品を数年前に講師仲間から譲り受けたまま
放置されていた物をごそごそと発掘。
母は籐工芸の講師をしており生徒さんも多数いる為に
当然材料類の在庫はかなりの物。
籐工芸の素材も勿論だけど教材に使えるか、
作品展のアイディアに、なんていろいろ揃えるもんだから
作業場を探検すると手芸店ばりの物が。
面白そう、と何でも触りたがる子供の如く、目を輝かせる私からすれば、さながら「大きなおもちゃ箱」である。
この卓上手織り機、引っ張り出してみたものの、ファンシーなピンク色の心もとないプラスチック製で
まるでおもちゃ・・・いやいや侮るなかれ、ちゃんと横幅20センチのものが織れる。
毛糸も実は売るほどある。
その中から適当な物を2種類用意。
縦糸にする毛糸をきっちり張り、「杼(ひ)」という
これまたプラスチック製の横糸になるものを
ぐるぐる巻きにした棒状の物を通して、
パタンパタンと上部にあるプラスチックの櫛みたいな
「そうこう」を上下に動かしてして横糸をひっつめて…
「そうこう」が動かん!
ぎゃっ杼の通す位置間違えた!
ギシギシガタガタ、悪戦苦闘。でもこれが楽しいんだ。
とりあえず練習に横幅20センチ、長さ70センチのものが
出来る予定で、夢中でかたたん、かたたん、時にギシギシガタン、ぎゃっ!
数時間で半分織れた。
色遣いは、押し入れの一番手前という理由でからし色と茶色。
織るうちに目がちかちかしてきた。
今でこそ、裂き織りや古布のリユース、と、
こういう小さな機織り機って
手芸屋さんで売るようになったけれど、
この製品、一体どれぐらい前のものなのかすら分からない。
(かなり昭和50年代の香り漂う取説だったが・・・)
数百円分の切手を同封して送れば、
交換部品を送付する旨記述がされているが
どう考えても、金額相場が合わない。
もしやこの会社自体、もうとっくに潰れてなかったりして、
なんて後から調べてみたら、
京都の創業200年の花札屋さんだった。
今も細々とこの機織り機は販売しているようだが、規格も見た目も違う物、
値段もちなみにこの製品の倍の値段。(時代の差だろうな。)
廃番製品、大事にしなくちゃ。
でも非常に使いにくいので多分これで織るのに慣れたら、買い換えようっと、とひっそり目論み中。