ぬっこ、クレームを言う

インターネットで買い物すると、宅配業者が荷物を届けてくれる。
業者は荷物を発送してくれたのに、その荷物を届けてくれなかったら?

昨日届くはずの荷物が届かず宅配業者に問い合わせたら、
荷物を積み忘れていたという。
更に今日も積んでないので配送は明日だ、と。

運送事情が悪い国なら文句は言うまい。
だが、特に天災があった訳じゃない。道路事情が悪い訳でもない。
荷物は営業所にある。
そちらの都合上の話、それはないんでないの?と。
そもそも、電話しなかったら今日はしらっと忘れたままだったということだ。
どうにかならないのか?と食い下がったら
忙しくて無理なので、仕事を終えてから持って行くので夜中1時頃に配達します、ときた。
しかも2点あるうちの1点は行方が分からない、と。

何とかしてくれ、と折れない私。
上の方から連絡が欲しいと言ったら、いや、僕がうまくやりますから…

ん?
うまくやる、とな。
ほぉぅ。

あぁ。顔が熱い。
つまりは私、頭に来てるということだな。
でも、口調は荒げない。
あくまで冷静な口調の私。
いや、正確には荒げ方が分からないのだ。
今までクレームを聞く側だった私、やっぱり気になるし
クレームははっきり言うけど、努めて丁寧だ。

だけど…
宅配便の業者失格!信頼度マイナス100%!

ドライバーさんに腹を立てても仕方ない。
だけど、自分のミスを自分で食い止めてなんとか処理したい様子で上の方も出して頂けない。
それではわかりました、本社に掛けますね、と電話を置く。

そもそもクレームは腹が立った矛先を相手に向けて発散することが大事なんじゃない。
次に活かしてもらうこと。
二度と起こさないでもらうこと。
営業所レベルで話を聞いて頂けないのだから…。
仕方ない、そのまま本社のコールセンターへ。
何だか大事になってしまった。

それから30分後、営業所の上の方から連絡があった。
宅配便の仕事って、家に荷物をきちんと正確に届ける仕事ですよね?と。
正確に届けず忘れた上に、届けるのは無理だというのは
仕事の本質的に違うのでないか?と。
そこでクレーマーになるつもりもないし
今回の件を明日からの業務に活かして欲しい、と付けくわえた。

クレームは謝り倒して電話を置いたら、はい、終わりじゃない。
顧客側のマイナス100%の信頼をプラスにすることは容易なことじゃない。
クレームがあってからの顧客は、企業側の一挙手一投足を見ている訳で。
もっとも果たして先方がそれに気付いてるかどうかは謎だが。

怒りをあらわにする表現に「烈火の如く」というのがある。
だけど、私の怒りはその対極にある静かな怒り。
フツフツと、でも確実に煮えたぎる。
(実際長いこと接する側だった私が思うに、こういう冷静な怒りの方が怖い気がする)
あぁこんなフツフツとした怒りは、身体によくない。
むぎゅっと身体の芯に変な熱がこもって背中が痛い。
頭から湯気が出そうな勢いだ。
無性にプールに行きたくなり、ワシワシ、ノッシノシ、いつもより多く歩いて
はぁ、文字通りサッパリ水に流してスッキリ。

結果的に荷物は今日受け取れた。
ちなみにこんなに大騒動で受けとったのは
ガス入りの水1.5リットル12本、それから使い捨てコンタクト。
たかが日用品、されど日用品…

いや、荷物の内容は問題じゃない。
その姿勢と体制に問題を感じたということだ。
謝る姿勢って難しいな、とつくづく感じた出来事。