ぬっこレポート 買占めパニックについて考える

どこのガソリンスタンドも長蛇の列だ。
給油制限があるから、とはしごして満タンにしようと躍起になっていやしないだろうか。
いつもよりもプラスアルファで備蓄しようと余計に買おうとしてはいないだろうか。
 
1週間や10日もすれば供給は落ち着く・・・はず。
なぜ「はず」かって。
この状況がその供給を落ち着かせるのをさらに引き延ばしているように思えるから。
当たり前に、欲しいと思ったときに欲しいだけ手に入れられた生活ではなくなった途端に不安になる。
そしてその不安が負の連鎖を生みパニックになる。
今日のとあるガソリンスタンド、長蛇の列の最後尾がどこまで伸びているか、
用事で出かけた帰りがてら測ってみた。
・・・その長さ、なんと3.2キロ!
最後尾の方、今日給油出来たんだろうか。
 
真岡は地盤の関係からか栃木県内でも被害が大きかった地域だ。
屋根瓦や塀の被害が出たお宅(うちも含めてだけど)多数。
だけど、死傷者が出たわけでもなければ、津波に襲われた訳でもない。
一昨日くらいからライフラインは復旧している。
不安な気持ちは分かるけれど、もっと不安な人がたくさんいる。
節電することに加えて無用な買い物をしない事。
自分だけ確保すればいいんじゃない。
必要な分だけ確保して、後はほかの人に回さなければ。
 
夜、みりんを切らしてあわてて買いに走ったのだが、スーパーはすでに繰り上げ閉店。
しかたがないので、街をぐるりとひと回りして帰ろうとしたら
光々と電気を付けて営業していた1軒の酒屋さん。
いや、営業していたんじゃなくて正確には片づけをしていたんだと思う。
まだ大丈夫ですか?とおそるおそる声をかけてみたらいいですよ、とのこと。
それでも店は略奪にでもあったのか?というぐらいに棚は空っぽ。
略奪じゃない事が容易に分かるのは、店内中お酒の匂いが充満していた事。
地震で揺さぶられて陳列していた商品はほぼ全滅。
地震直後はお酒で水びたしになったそうだ。
陳列棚毎に日本酒コーナーだったんだな、とか梅酒が売ってたな、とか匂いで分かるぐらいの感じ。
今ね、やっと破片類を片づけて床を拭いて、倉庫から無事だった在庫を出してきたところ、とおばさんは笑った。
どんな仕打ちか、と思うけれど・・・生きてるんだもん。大丈夫だよね、きっとと。
大丈夫ですよ。頑張ってください、お釣りは結構です!と私。
たった数百円だけどお店の復興に充ててくださいとみりん代のお釣りを断って帰ってきた。
…みりんは保存食用に、またベーコンを作ろうとしてそれに使う為だった。
 
今度はタバコがなくなるらしいよ・・・そんな話を聞いた。
大丈夫。タバコはなくても生活出来る。
私は喫煙者だけど、買いだめはしない。
だって、そうして今レジで買いだめしようとする行動を見た人の連鎖が起き
小さな連鎖がいつしか大きな流れになり物が不足していく。