ぬっこ「頑張ってください」という言葉を考える

被災地の方、これから大変だと思いますが「頑張ってください」
この時期よく聞く言葉だ。
テレビで、レポーターさんがマイクを向けしめの一言、引き続き頑張ってください。
芸能人が、大変だと思いますが頑張ってください。
世の中、頑張ってくださいという言葉が、今あふれている。
 
だけど、私は「頑張ってください」という言葉は好きではない。
なぜなら、誰かにそう言われる前に、十分、いや十二分に頑張って必死で生きる努力をしているはずだから。
これ以上どう頑張れと?そんな思いを抱く人もいるんじゃなかろうか。
もしも私がその立場だったら、きっとそう思う。
その言葉に悪意がない事も分かっているけれど、素直にありがとうと笑顔ですんなり入ってはこない。
 
言葉というのは口を出た瞬間に伝い流れていく。
こうして文章にすることもまた、しかり。
何の気なしに言ったことや書いたことが、それを発した側が思わぬ受け取り方をすることもあるものだ。
 
私は頑張り、頑張り、それでも頑張りすぎて倒れた。
だからこそ思う。
無理をしないでほしい、と。今、やれることをやれるだけでいいのだと。
そもそも時間は限られているし人がひとときに出来る事とというのは限られるものなのだから。
それは今私が自分自身に言い聞かせている言葉。
避難生活が10日におよび、これからも長期戦となるだろう。
先の見えない毎日に不安で、どこまで頑張れば元の生活を取り戻せるかと。
よしっ頑張るぞ、と気負ってすぐ簡単に結果を出せるほど、
被災された方が抱える問題は小さなものではない。
頑張ろう、頑張るぞ、というのは、「それをやる側」が発し自分を鼓舞させる言葉であって
他の立場の人間が頑張って、と相手の尻を叩くような風に使うべきじゃないんじゃないのかなぁと。
せめて一緒に頑張りましょう、私たちも協力しますから、そんな言葉の使い方でありたいと思う。
 
必ず希望は見えるから、と。
きっと大丈夫だから、と。
彼らに私ならそう声をかける。
その言葉にたとえ根拠はなくとも、力を帯びて相手に届けてられるのは、
頑張って、という他人事にも取れてしまう言葉よりもそちらの方だと思うから。
 
私たちが「頑張る事」は、被災された方々の立ち上がる力を支える事。
物資をうまく運べるようにオイルショックにあわてない事。
物を買い占めたりして被災地以外に余計な問題を起こさない事・・・