なごり雪を愉しみながら

5年ぶりだろうか。
那須の片隅にある、小さな温泉に行ってきた。
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そこは、「大正村幸乃湯温泉」。
板室温泉からほど近くにある1軒宿である。
いつ行っても空いているので那須に住んでいた頃通っていた温泉。
ふと、そういえば…と思い立って行ってみる事に。
 
そして案の定今日も貸し切り状態。(誰もいないのをいいことに、露天の写真まで撮ってきた私って・・・)
ちょっと熱めの柔らかいお湯に、まだ春と呼ぶには冷たい風が心地いい。
いい気分になった私、大声で「なごり雪」を熱唱してみた。
「なごぉーりー雪が~ふふんふふんふんふんふん(歌詞をところどころ知らない)
いまぁーはるがきてぇーきみぃはぁー♪」
いい気分で盛り上がってきたところで垣根の向こうの男湯で、ざばばっと湯から上がる音。
身振り手振りまでつけて熱唱していたのを止め、はっ、と口をつぐむ私。
ぎゃっ!どなたかいらっしゃったのね。
何となく下を向いてゴボゴボッと・・・ぬっこ、撃沈。
あぁぁ。すみません。お聞き苦しい歌声をお聞かせいたしまして。
 
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ところでなぜなごり雪かって・・・。
この宿の通りを5キロぐらい行くと、深山(みやま)ダムがある。
ダムから先、南会津に抜ける道もあるが車では通れず実質このダムで道は行き止まり。
それこそ何にもない場所なんだけど、四方を山に囲まれて、何にも聞こえない。
聞こえるのは風の音だけ、あとは何の音もしない、という
静謐なひとときを過ごすのが好きだったりする。
 
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そしてなんとこの辺り、まだ雪が残っている。
春の息吹が訪れるのはあと1カ月ほど先になるだろうか。
 
温泉を後にして、そこから車で15分程。
以前働いていた宿まで行ってみた。
立ち寄るでもなく通り過ぎただけだけど、
ああ懐かしいなぁ、とかそんな感傷よりも
ちょっとだけ嬉しかった。
なぜかって。ここに来られたという事は
過去起きた思いもよらぬ辛い出来事を
私の中でちゃんと払拭出来た証拠だから。
季節がいくつか過ぎていくうちに、時間が解決してくれる事ってあるんだなぁと実感。
 
この、今日の時点でまだ50センチほどあった雪も、きれいさっぱり解けて
辺り一面、新緑が萌えるのも、もうまもなくだ。
その頃にまた来ようかな。
 
本日の走行距離 221キロ