喜多方ラーメンを食べる

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桜前線は着実に北上している。

今日は福島の会津若松地方、喜多方市に行ってきた。
私が住む栃木では、昨日の大嵐でほとんど花は散った。
世の中の流れが早い事を哀愁を込めて
「世の中は三日見ぬ間の桜かな」、江戸時代に大島蓼太が詠んだ句にあったけれど
確かに、散り際はあっという間で、ぱぁっと咲いたかと思うと
もうあっという間に新緑の時期が訪れている。
ここも、もうまもなく葉桜になり、辺りの枯木立のさびしい景色も緑で彩られるんだろうな。

福島は広い。
同じ福島でも山側の会津や喜多方は、原発から100km以上離れている。
だが同じ「福島」というだけで客足はパッタリ、そんな報道を見た。
喜多方や会津は、観光、外食産業で潤う街だ。
外から人がやって来ないということは、街の経済が停滞してしまうということ。
それは、福島だけじゃない、この震災関連で大打撃を受けた観光地は少なくないはずだ。
だけど、福島の場合まだ収束した訳じゃない。
これからもまだまだ、続いていく。
風評被害で人が来ないんじゃないか…そんな危惧からの報道だったんだと思う。

私に出来る事は?そこへ行く事。そしてラーメンを食べる事!
せっかくなので行こうかしら、なんて軽い気持ちで一路北上。
そういえば、そんなに近い場所じゃなかった事に途中で気がついたけれど後の祭り。
日帰りコースには随分と強行の距離である。

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行ってみて思ったのが、関東圏の車がいない事。
それでも…
宮城から、山形から、そして同郷福島から。
同じ東北人が支えていた。

皆、テレビでやっていたから来たようで、実際の報道より人が多い事に
胸をなでおろしている声があちこちで聞かれた。
そしてお店の前にはそこここでいつもの大行列が出来ていて、
閑古鳥の報道が嘘みたいな活気が戻っていた。

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喜多方ラーメンは、とんこつと煮干し出汁のブレンドのスープに
太め縮れ麺が特徴だ。
醤油味が多いけれど、味噌を出す店もあるらしい。
私が今回訪れたのは、有名店2店舗
「まこと食堂」と「坂内(ばんない)食堂」
それぞれ長蛇の列が出来ていて、
まこと食堂では1時間、坂内食堂ではなんと2時間も待った。
本当は、2店舗もはしごするつもりはなかったのだが…。
理由はお腹が減りすぎて坂内食堂の長蛇の列に並び切る自信がなかったからだ。
まずは軽く腹ごしらえをしてから、
本命の長蛇の列に並びつつ、
お腹が落ち着く頃に本当に食べたいものにありつこう、という
なんとも強欲な思いからの行動である。

坂内食堂の「肉そば」は、煮干し味がほとんどしないから好きだ。
そして、縮れ麺をすっかり覆い尽くす程のチャーシュー。
薬味のネギなんてどこ?というぐらい。
このチャーシューが脂っこいかといえば、そうでもなくて
無駄な脂は落ちていて一口噛みしめると、
肉汁と濃い目のしっかり付いた肉の醤油味がじゅわっと染み出してくる。
こんなに沢山食べられるかと思うけれど意外とぺろりと食べられてしまうものだ。
決して私の胃袋が特別ブラックホールのように出来ている訳ではない。

食べ終わって思い出した。
来た道をまた帰らねばならない事を…。

本日の走行距離 脅威の534キロ(疲れた…)