長野旅行その4 渋・辰野館

創業100年という歴史深い宿、「渋・辰野館」に着いた。
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この古い佇まい、以前訪れた時と変わっていない。
 
入ってみて、視線を感じたのでそちらに目を向けてみたら…。
 
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お前かっ!
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そんなニヒルな笑みを浮かべてこちらを見ないで…。
 
お風呂は3つ。湧水の大浴場、露天風呂、そして信玄の薬湯。
温泉ではない風呂がなぜあるかといえば…ここの温泉、ph2.9という非常に強い酸性泉。
石鹸が泡立たず、大浴場以外で石鹸は使えない。
ここのお湯は、戦国時代には武田信玄が戦で傷ついた重臣や馬を湯治させたと伝えられる歴史あるお湯。
薬湯といういいかたをしている通り、お湯は渋く、手触りはとろりとしている白濁のお湯だ。
お湯といっても、源泉は21℃、つまり冷鉱泉
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奥側のお湯は加温された源泉、40℃以上の熱めのお湯。
そして打たせ湯になっている手前は、源泉そのままの21℃の冷たい鉱泉
浴槽は90センチと腰まで浸かる深いタイプ。
それぞれの浴槽を交互に行き来しながら冷温交代浴。あぁ気持ちいい。
お湯も惜しげなく流れ、外の景色は白樺の木立。
聞こえるのはお湯が流れ落ちる音だけ。
なんて贅沢なひとときなんだろう。
 
宿の周りは3つのトレッキングコースが用意されており、白樺の森を散歩しに出かけた。
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8万本の白樺の純林が続く散歩道は、平坦で、運動不足の私も楽々。
こんな森の中をのんびり散策しての湯あみ、至福のひとときである。
 
あ、散歩、湯あみの後にはもちろんこれ。
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ほろよい気分で夕食
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これ、ビュッフェスタイル…ではない。これが前菜である。
2種類のミニトマト、おくら、かぼちゃ、きゅうり、にんじん、紫いもに食用ほおずき、そうめんかぼちゃ、
とうもろこし、モロッコいんげん、更にはモロヘイヤ、ズッキーニ、金時草、バナナピーマン、オカヒジキ
アイスプラント、白菜ににらに、水菜にそれから…えーとえぇーと。。。
とにかくどの料理をとっても野菜尽くしである。
さんさんと浴びる太陽を受けて育った色とりどりの山の幸、地元の旬の夏野菜満載の夕げ。
…食べきれない。
人間の胃袋というのは、満腹以上に食べても、1.5倍まで大きく伸びるのだという。
それでも食べきれなかったというのはどういう事か、という量である。
〆は信州そば、あ、ご飯もありますけど食べますか?…すみません。オナカイッパイタベラレマセン
 
朝食はビュッフェスタイル。これまた野菜尽くし。
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基本的に食欲が身体を支配する私にとっては、食べ物がおいしい宿というのはいい。
何よりも両親ともに大満足だった事は私にとっても嬉しい事だ。
 
お世話になりました、という言葉よりも「ごちそうさまでした」と宿を後にした私。
 
ちなみに、白樺林では小雨、翌日カラマツ林を歩く予定が土砂降りの雨で断念。
実は、長野リスペクト!という事で、長野名物、七味の「八幡屋礒五郎」Tシャツまで用意して
全身全力で森林を満喫するつもりだったのに。
寒いので丹前を羽織り、七味柄、型なし。
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神は二物を与えず、という。
美味しい食事に素敵な時間、とろりとしたいい温泉。
それだけいい時間を過ごせれば、お天気なんて。
何となくそう思える程の大満足な滞在だった。
 

渋・辰野館
0266-67-2128