雨女ハイク
私は、雨女である。
晴れてほしいと思う日は、心から願えば願う程、雨が降る。
実はこのハイキングに出かけたのは、長野旅行の翌日。
いや、日がな1日を過ごす日が多い中で、なぜ予定をまとめて突っ込む?私。
張り切ってハイキング、という気分でもないしむしろ、数百キロのドライブで、くたくたである。
全くもってやる気なしのハイキングのお陰もあってか曇天。
ぬっこ的には結果オーライである。
ハイキングと言っても、真岡市主催の自然観察会。
歩く場所はほぼ平坦な山道である。
往復は、市のバス。
平均年齢60代以上…新聞折り込みの小さな広報欄の告知を見て応募するのは、
その年代が多いらしい。というか、私が最年少、という集まりである。
行き先は、那須平成の森。
そう、私が過去に遭難騒ぎになりかけた、あの森だ。
ここはフィールドセンターという、管理棟を過ぎて森の中の散策路へと通じている作り。
夏休みのせいもあってか、バス旅行の人、ご家族連れなどなど
新しい那須の観光スポットとして賑わいを見せていた。
当時にはなく、今山に通じる通路に貼られていて、
更にはガイドさん全員が口頭でも徹底されていた文言がこちら。
「17時には閉館しますので、必ず時間までにはここに戻ってきてください」
すみません。そんなに徹底して案内するようになったのって、
…多分それ私のせいですよね。
てへっ。とか笑ってる場合じゃない。
さて、自然観察会と銘打っていても、
実際人がわんさか連なって歩く喧騒の中野鳥なんて出てくる訳もなく。
沢山の種類のカエデと、つつじの違いの説明を受け、
そして見かけた虫はキンモンガだけ。
私としては、カブトムシとかに出逢いたかったのだが。
そううまくは行かない。
キンモンガとは、こんなにキレイな模様でも、れっきとした「ガ」である。
「チョウ」と「ガ」は、もともとは似た種類で区別しようにも、
あてはまらない種類も意外と多くて、分かりにくい。
違いとしては…
1、チョウは昼行性、ガは夜行性、
2、チョウは羽根を閉じて止まるけれど、ガは羽根を開いて止まる。
3、チョウの方が胴身が細く、ガの方が胴身が太い
4、チョウは、棒状の触角を持ち、ガは、ギザギザの触角…
と言われている。
なんだか分からないひらひら飛ぶのを見つけたらとりあえずそんな風に見てみると
「チョウ」か「ガ」かの区別はざっくり付けやすい。
がっ
例外も多いんだそうな。
確かにアゲハ蝶だって、羽根を開いたまま休んでいる姿を見る事もあるし…。
さてこのキンモンガは、見事に1にも4にも当てはまらない例外さん。
もしかしたら3も当てはまらないかも。
こんなにキレイなタイガース柄なのに、れっきとしたガである。
ガだと言われた途端に害虫のように感じてしまうのは、単なる偏見である。
意外とこんなにキレイな子もいるのだ。
物事なんでも、形式にとらわれちゃいけないものだ。
さて。のらりくらりのハイキングもおにぎりを食べて無事に終了。
年齢層の高いハイキングだけに、帰りに立ち寄った道の駅で軒並みみんな高原大根を購入。
帰りのバスには大根が何本も…
こっちの人はとうもろこし、モロヘイヤ、あ。きゅうりもですか。
誰ですか、バスで漬物食べてるのは!
こんな車内は若年層ハイキングには見られない図だろうな。
最後に見返り雨女の図。
軽装でも十分なハイキングだったのに
リュックがぱんぱんなのは…。
大量の唐揚げにおにぎりに漬物に、と
食べ物が詰め込まれているからである。
こんな姿を山で見かけたら
天候が良くても雨が降り出すので要注意である。