湧かない実感

出かけて帰り道に、雲行きが怪しくなりざーっとやられた夕方。
駅の改札を出た所でみんな空を恨めし気に見上げながらずらり並んで雨宿り。 
通りの反対側の建物の軒下に白と黒のぶちの猫がいたのだが同じ場所をぐるぐる回り困惑気味。
気まぐれな空模様に驚いてるのは人だけじゃないんだな。
 
雨が一段落したのを見計らって、自転車のペダルに力を込め身体を前のめりにして
全速力で帰ったものの、時すでに遅し。
案の定物干しざおに下げた洗濯物からぽたりぽたりと水がしたたっていた。
まさかあんなに気持ちのいい青空だったのに雨が降るとは思わなんだ…。
 
さて、明日は初出勤の日。
こちらに越してきてからあれこれ動いて数日。
明日のお弁当のおかずも準備した。
持って行く書類も揃えたし、ごあいさつ用の菓子折りも買った。
でも…何故だろう。実感がまるでわかない。
日付が近づいたらドキドキしたりワクワクしたりするものだと思っていたのだけれど
意外と淡々と過ぎた1日。
 
あ、今になっても実感が湧かないのは…夜になって飲んでしまったからだろうか。
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コハク色のこの液体は「ポルフィディオ・アネホ」。
甘美な香りの中にスパイスが効いたコク深い秘蔵のメキシコのラムである。
シリアルナンバーが入ったこのお酒、引越屋の荷物には入れられないし
それでも大事な時にはちびちび飲みたいし…と
車で荷物を運んできた時に、真っ先に積みこんだもののひとつ。
 
さー明日からがんばるぞーと実感を持たせるためにひとりごちてみたけれど
やっぱり実感がわきそうにもない。
もっとも新しい門出への実感があろうとなかろうと、
明日の朝が来れば弁当を作り、自転車に乗って会社に行くのだが。