放浪 一期一会

一期一会という言葉がある。
昨夜から出かけた、その大切な場所へのドライブは
いつもの放浪ドライブでなく不思議な出会いの日になった。

渋滞を避けながら、6時間かけて海に到着。
あいにく月は沈んでしまった後なので、
暗闇をてくてく…夜明けを待つことにした。
1時間ぐらい歩いて辺りが白み始めると、前日から来て車で寝ていた人達が動き始める。

岩場のいそぎんちゃくを触って遊んでいたら、
海をバックにして写真を取っていた父親と女の子が2人。
いつもの習慣で、彼らにシャッター押しましょうか?と声をかける。
…それが信じられない出会いだ。

それから少し時間が過ぎて、日も昇ったのでそろそろ帰ろうかと思った所で
そのお父さんに呼び止められた。
1人で来たの?一緒に朝食でも食べていかない?
彼らは子供と3人で浜辺で朝食の準備をしていた所。
これが若者グループだったら断っていたかもしれないが、
子供2人が人懐っこく笑っていて別段身の危険は感じなかった事と
お腹が減っていたせいもあり、図々しい私は思わず甘えてしまった。
女の子は5歳と11歳、妹想いのしっかりしたお姉ちゃんと、はにかみ屋の妹。
ご飯とインスタント味噌汁と味付海苔とお漬物の朝食だったが
景色もご馳走のうち。なんだかすごく美味しい。
私は思いつきで着のみ着のまま出かけていった浜辺で、
さっきまで見ず知らずの人となぜか朝食の席を囲んでいる。
何だか不思議な感じ。

朝食の後でそのお父さんと朝からビールで宴会。
ちなみに時間はまだ朝7時。
今回奥さんは家で留守番をしているそうで、
お父さんはサッカーと海と子供たちをこよなく愛するトラック運転手。
ものすごく仲のよさそうな家族だった。
毎週のようにこの海に来ているという。
気付けば不思議そうに私とその家族の関係を見ていた
隣の別のグループの板前見習のお兄さんも輪に入って一緒に宴会。
さっきまで見ず知らずの赤の他人だったお父さんもお兄ちゃんも
ずっと前から知っていた友達のようにいろいろ話す。
恋愛のことや仕事のこと…
気付いたら普段周りに話せず胸の奥に閉じ込めてあるいろんな話を
自分からしていて、そんな自分に驚いたりもした。

イメージ 1
私は日の出を見てすぐ帰るつもりだったので
水着や日焼け止めも持ってきていない。
だが、日が高くなって来て、お客も増え活気が出始めた海は
早朝の静かな海とはまた違った雰囲気。
かかっていた雲も切れて強い日差しが照り付ける。
あまりにも楽しそうで私も海で泳ぎたくなり
スカートの裾がびしょびしょになるのも
サンダルがお出かけ用に今年新調したものだったのも気にしない。
日焼け止めも塗らずに子供たちと磯遊びアワビ取りをしたりして大はしゃぎ。

イメージ 2
名残惜しい別れ間際、
毎週そこに遊びに来ているお父さん達と
必ずまた遊ぼうと子供たちと約束し
見えなくなるまで手を振って帰ってきた。
また次は水着持参で思う存分ここに遊びに来よう。
見ず知らずの人から、また今度会おうと約束する大切な友達が出来た。

一期一会じゃなく、一期二会。
…ん?どっかで聞いた事あるようなフレーズのような気もするけど
きっと気のせい、気にしない。気にしない。

本日の放浪ドライブ。
出発から帰宅まで 17時間
走行距離 597キロ
無謀な割り込みで迷惑をかけ、けたたましくクラクションを鳴らされた回数 2回
(ごめんなさい。)

…最近1回の走行距離が異常。普段出かけない分の反動なのかな。