執念のご来館

うちの地域自体はそんなに大きな震度ではなかったが、
全線不通になったせいで、新幹線の発車のめどが立たず、駅で足止めのキャンセルが数件。
あるお客様、すごかった。
福島から新幹線でお越しの方。
駅で被災され、予定の新幹線が動かない。
でも、どうしても来る!という。

送電が止まったとのことで多分復旧のめどは立たないとのこと。
新幹線がダメなら在来線、在来線もダメならバス、タクシー…。
あらゆる手段を考え、電車が動き始める在来線の駅までバスを乗り継ぎ、
在来線でホテルの近くまでなんとか到着。そしてタクシーで来館。
本来であれば2時間ぐらいでホテルまで着ける予定だった。
だが、足止めとその乗り継ぎでかかった時間、なんと8時間半!
お疲れ様でした。
そこまでしてうちのホテルに来てくれて、感謝感謝である。

電話で何度もやりとりをしながら、
今、無事電車を下りタクシーで向かってます、
もう少しで着きます、と連絡をもらった時には
まるで宇宙船の途絶えた交信が繋がり、
NASAの管制塔で歓喜の声が上がる、映画のワンシーンみたいだった。
多分そのお客様も忘れられない旅行になったことだろう。