君はスイミーじゃなかった

会社の金魚をもらったせいで、会う人会う人皆に、金魚が元気かとよく聞かれる。
名前は何にしたの?と。
そこでいつも疑問に思うのだが、金魚には、一般的に名前を付けるものなんだろうか?
確かに金魚自体もらったものだというのに、金魚用の水にミネラルウォーターを入れ
水槽セットを買い、周りの方が高くついているぐらい大事に飼っているのだが…。
名前?魚なのに?

どうもピンと来ない。
魚の名前、名前…ふと考えていたら小学校の教科書にあって
大好きで暗記するほど何度も何度も繰り返し読んだ
スイミー」という題名の話を思い出した。

沢山の小さな魚たちが仲間と暮らしていた中で、
一匹だけ体の色が違うスイミーという名前の魚がいました。
ある日大きな魚がやってきて仲間はみな食べられてしまいます。
一人ぼっちになったスイミーは、大海原にちっぽけな体で冒険に出かけます。
最初は初めての世界に恐れながらも
くらげやエビや沢山の友達を見つけ、楽しさを見出したある日
岩陰に隠れている小さな魚たちの群れと出会います。
大きな魚に食べられるのを恐れて、岩陰から出てこないその群れに
考えに考えたスイミーが言います、「僕が目になろう!」
小さな魚たちが大きな大きな魚を形どり、スイミーが目になりました。
小さな魚たちがあんなにも恐れていた、大きな魚がやってきましたが、
その大きな恐ろしい魚よりも、皆が一緒になって形作ったそれは
さらに大きな大きな魚に見えるものでした。
大きな恐ろしい魚は、スイミーたちを見て、逃げ出し
みんなで力を合わせて見事追い払うことに成功したのでした。
レオ・レオニ著 谷川俊太郎 訳

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…どんな話かを思い出していたら唐突に大事な事に気が付いた。
この話でスイミーは目になったんだった!体は黒い。
今水槽で買ってる金魚はどっから見ても赤い。
ごめん。確かに今君はひとりぼっちに違いないけど
スイミーじゃなかった。
やっぱり名前なんて浮かばない。

ちなみに、水槽セットを飼ったら、
水道水を5分で無害に変えるとかいう薬が一緒について来た。
なんだ、そんな便利なものがあったのか。
最初からそうすればよかった!
私はカルキ分が多い水道水では使えないしミネラルウォーターでは高くつくので
会社の近くにある、最近教えてもらった
美味しい湧き水が湧いている所から水を汲んでこようと思っていたのに…。
世の中便利なものがあるもんだ。